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日経平均は大幅反落、高値圏の銘柄には警戒感

 日経平均は大幅反落。365.80円安の23013.60円(出来高概算5億8361万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、複数の主要企業決算が好感されたものの、総じて上値は重く主要3指数はまちまちに。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の23245円になるなか、為替相場が朝方に1ドル=109円台を割り込み円高方向に振れたこともあり、本日の東京市場は売り先行のスタートとなった。休場の中国株を除いた台湾や香港などのアジア株式市場が、継続する新型肺炎拡大懸念を背景に揃って下げ幅を拡大した流れから、短期筋による先物売りを促した。物色としても、決算発表を受けて出尽くし感が先行したアドバンテストのほか、値がさ株やハイテク株に対する売りが目立った。

 セクターでは、東証33業種が全て下落となるなか、とりわけ、ガラス・土石製品、電気機器、精密機器、海運業が2%の下落と下げが目立った。売買代金上位では、アドバンテストが5%安になったほか、ソニー、任天堂、ソフトバンクG、東京エレクトロン、キヤノン、ファーストリテ、トヨタ自動車、村田製作所が下落。一方で、前日の第1四半期決算発表でネット広告事業による成長ペースの回復が確認されたサイバーエージェントが14%高になったほか、FA受注の底打ちの兆しがみられたファナックやオムロンは上昇した。

 本日の東京市場前場では、春節休場明けの台湾をはじめとしたアジア株式市場の軟調推移を背景に、海外短期筋の断続的な売りがみられた。前日の米半導体株の下落については、29日の段階である程度織り込み済みの面はあったものの、本日はアドバンテストに対する想定以上の売りに押されたことで、日経平均の押し下げ要因に繋がったもよう。なお、アドバンテストは、市場予想上回る10-12月期の着地に加え、通期予想の上方修正を発表したにも関わらず、材料出尽くし感が優勢になった。これを受け、ハイテク株のなかでも、決算反応としても足元で高値更新をみせている銘柄には決算後の出尽くしを警戒した売りが散見されている。

 明日は400社超の企業決算が控えているタイミングでもあり、後場にかけても高値圏にある銘柄に対する積極的な押し目買いは手控えられる可能性がありそうだ。日銀の上場投資信託(ETF)買い入れに対する思惑は下支えとして意識されるものの、物色としては、決算前に出遅れ感のある銘柄や内需・ディフェンシブ銘柄に対する消去法的な商いに留まりそうである。

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