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決算を手掛かりとした冷静な動きも見られる【クロージング】

10日の日経平均は続落。142.00円安の23685.98円(出来高概算11億6000万株)で取引を終えた。7日の米国市場が下落したこともあり、予想を上回る米雇用統計の結果に対する反応は限られ、新型コロナウイルスによる肺炎拡大に対する警戒感が買い手控えにつながった。シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、寄り付き直後には23621.72円まで下落。

その後、中国・上海市場の落ち着いた値動きを背景に、前引け間際には23788.25円まで下げ幅を縮める局面もみられた。新型コロナウイルスによる肺炎拡大が警戒されているほか、祝日を控えていることもあり、後場やや下げ幅を広げるなど、前場の値幅内でのこう着となった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の7割近くを占めている。セクターでは海運、ゴム製品、医薬品、非鉄金属、電気機器、ガラス土石が軟調。半面、倉庫運輸、保険、水産農林、食料品、証券が小じっかり。指数インパクトの大きいところでは、TDK、バンナムHD、ファナック、オリンパスが重石。一方で、ソフトバンクG、日産化が下支えに。

本日は売り優勢の相場展開となったが、テクニカル面では25日線が位置する23600円処での下げ渋る動きとなった。この水準での底堅さが意識されてくるかが注目されるところであるが、新型コロナウイルスの封じ込めを見極めたいところであり、模様眺めムードが強そうである。

もっとも、新型肺炎に関連する銘柄への物色が再燃する格好となっているが、一方で、決算に対する物色もみられており、全体としては新型肺炎に関連する報道等に振らされつつも、全体としては正常化の動きも見られているだろう。また、11-12日にかけてパウエルFRB議長が議会証言を行う予定であり、世界経済に対するコロナウイルスの影響をどの程度考慮しているのかに注目したいところでもある。

日経平均が25日線を支持線としたリバンドをみせてくるか、若しくは直近のマドを埋める調整となるかが注目されるところではある。しかし、冷静な動きも見られていることを考慮すると、今週も1200社程度の決算発表が予定されていることもあり、決算評価の銘柄等には、短期筋の資金が集中しやすいだろう。

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