27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅に4日続落、約4カ月ぶりに22000円を割り込む
・ドル・円は下げ渋り、上海総合指数の大幅安回避で
・値下がり寄与トップはソフトバンクG、同2位はファーストリテ
■日経平均は大幅に4日続落、約4カ月ぶりに22000円を割り込む
日経平均は大幅に4日続落となった。401.14円安の22025.05円(出来高概算7億7176万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、連日の新型コロナウイルスによる懸念から株価が大きく下落するなかで自律反発狙いの買いが先行したが、次第に世界的な感染拡大を嫌気した売りに押されたことで、主要3指数はまちまちであった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の22205円。この流れから本日の日経平均は売り先行スタートとなった。前日の米国市場でナスダックやSOX指数は小幅に上昇したが、東京市場のハイテク株には波及しなかった。値がさハイテク株が総じて弱含むなか、日経平均は寄付から下げ幅をじりじりと拡大させ、約4カ月ぶりに22000円を一時割り込んだ。
セクターでは、東証33業種が全て下落となるなか、とりわけ、空運業や証券・商品先物取引業、鉱業の下げが目立った。売買代金上位銘柄では、ソフトバンクG、ソニー、トヨタ自動車、ファーストリテ、三井住友、任天堂、SUMCO、東京エレクトロン、オリエンタルランド、武田薬がさえない。一方で、新型コロナウイルスの検出機器に対する期待感からキョーリンHDが6%高になった。
足元で新型肺炎の感染者としては、欧州・ギリシャや南米・ブラジルにも拡大しているほか、米国でも感染が広がりつつある状況で、世界経済減速に対する警戒感が本格的に強まっている。本日は中国を除いたアジア株は総じて軟調推移となっており、東京市場でも海外短期筋による指数先物に対する断続的な売りに繋がっている。これを受け、日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)は、危険水準とされる節目の30ptを2018年12月以来約1年3ヶ月ぶりに突破した。前日の当欄でも指摘した通り、リスク・パリティ戦略を取るファンドからの機械的な売りには警戒しておきたいところである。
年始からの期間でみた日経平均における価格帯別売買高において最も商いが集中している水準は23800円処、次いで23200円処となっており、現行の日経平均はこの水準から大きく下方に位置している。レンジ下放れ後の押し目買いの動きも乏しいところを勘案すると、目先的なリバウンド力の弱さも意識される。物色対象としても、巣ごもり消費やリモートワーク需要を取り込むことが期待される銘柄を除くと、ディフェンシブ銘柄に対する消去法的な商いに留まろう。
■ドル・円は下げ渋り、上海総合指数の大幅安回避で
27日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。中国株安を受け、日本株が下げ幅を拡大した場面でやや円買いが進んだ。その後、上海総合指数の持ち直しで日経平均株価が22000円の大台を回復し、円買いは後退。ただ、米株安観測でドル買いは仕掛けづらく、ドル・円は戻りが鈍い。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円19銭から110円46銭、ユーロ・円は120円07銭から120円35銭、ユーロ・ドルは1.0878ドルから1.0913ドル。
■後場のチェック銘柄
・アイスタディ、fonfunなど、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはソフトバンクG、同2位はファーストリテ
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・トランプ米大統領
「新型ウイルスが問題でなくなるまで、中国をはじめとした渡航制限を緩めない」
「新型ウイルスが米GDPに影響を与えるか、はっきりしていない」
「FRBの政策金利には満足していない」
・片岡日銀審議委員
「物価目標に向けたモメンタムはすでに損なわれている」
<国内>
・14:00 雨宮日銀副総裁あいさつ
・14:30 片岡日銀審議委員会見
<海外>
特になし