日経平均は1月と2月に変動の下限を突破して反転領域に入りましたが、その直後にこれまでの経験則にしたがって急反発しました。その後、回復基調を辿り3月は通常変動の範囲内で推移してきましたが、4月1日に急落したことで約1ヶ月ぶりに通常の変動範囲を下回り警戒領域に入りました。
先行きの相場を見る際の注目点は、理論株価自体が昨年末から下落基調を続けていることです。日経平均がいくら下げても、反転する足場自体が下がっている状態と言えます。
理論株価の決定要要素ある2つの要因、業績(予想1株当り純利益)と為替(米ドルレート)の底がしっかりと固まらないと、反転のきっかけはつかみにくい状況と言えそうです。(『投資の視点』日暮昭)
筆者プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。
新年度の急落で通常の変動範囲を下回り警戒領域に
日経平均と理論株価の推移
2014年1月6日~2016年4月4日
日経平均と変動範囲の上限・下限 拡大グラフ
2015年8月3日~2016年4月4日
直近5日間の日経平均と変動の範囲
2016年3月29日~2016年4月4日
[理論株価とは]
「理論株価」は株式相場の位置どりを客観的に評価することを目的に、業績と為替で日経平均の水準を評価する指標です。この指標は個人向けの投資学習サイト「資産運用のブティック街(bCAM)」で相場の妥当な変動範囲を判断するコーナー、「理論株価で測る相場の位置づけ」で使われる指標で、日次ベースで更新、公開されています。同コーナーでは「理論株価」の具体的な求め方、意味についても紹介しています。当メルマガと合せて『資産運用のブティック街』をご覧いただくことでより確かな相場評価のご参考にしていただければ幸いです。
『投資の視点』(2016年4月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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