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新興市場見通し:米ハイテク株同様にマザーズ上げ一服感、IPO初値高騰の反動も(訂正)

下記のとおり修正します。
(誤)米ハイテク株同様にマザーズ上げ一服感、IPO初値高騰の反動も
(正)新興市場見通し:米ハイテク株同様にマザーズ上げ一服感、IPO初値高騰の反動も

今週の新興市場では、マザーズ指数が週間ベースで再び下落へ転じた。週半ばごろまで1000ptを挟んだもみ合いが続いたものの、週末にかけて弱含み。バイオ関連株はアンジェスを中心に調整が続き、米主要ハイテク株が上げ一服となったことでインターネット・IT関連株にも売りが出た。一部の好業績銘柄を中心に買いも入ったが、全体を押し上げるまでには至らなかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.8%であったのに対して、マザーズ指数は-1.8%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のフリーが週間で3.1%安、弁護士ドットコムが同5.8%安、前述のアンジェスが同9.0%安と軟調。売買代金上位ではバイオ・ヘルスケア関連のリボミックやプレシジョン・システム・サイエンスが大きく値を下げた。また、新作ゲームをリリースしたAimingは材料出尽くし感が広がり、週間のマザーズ下落率トップとなった。反面、メルカリは上昇基調が続き同4.5%高。今期大幅増益見通しを発表したラクスは同22.7%高、上期決算が評価されたマネーフォワードは同6.8%高となった。また、ロコンドが上昇率トップだった。ジャスダック主力では日本マクドナルドHDが同2.1%高、セリアが同5.3%高となる一方、ワークマンが同0.6%安、ハーモニック・ドライブ・システムズが同3.4%安と高安まちまち。また、不二精機が週間のジャスダック上昇率トップ、Speeeが下落率トップとなった。前の週に上場したSpeeeとBranding Engineerは初値高騰の反動がきつかった。なお、この週のIPOではアイキューブドシステムズが公開価格の約3.0倍、GMOフィナンシャルゲートが約2.6倍、KIYOラーニングが約2.3倍となる初値を付けた。

来週の新興市場では、マザーズ指数の調整局面入りも視野に入れておきたい。コロナ禍でのニューノーマル(新常態)における新興ハイテク・バイオ企業への期待は根強くあるが、米主要ハイテク株と同様にマザーズ銘柄も需給的な要因などから上値の重さが目立ってきた。証券各社の目標株価との対比でやや過熱感の出ていた銘柄も少なくないだけに、いったんは株式需給の整理と過熱感の後退を待つタイミングだろう。

こうしたなかでも良好な値動きの続くメルカリやマクアケ、一部証券会社の強気の投資判断を手掛かりにリバウンドしたBASEなどがマザーズ人気をつなぎとめるか注目される。なお、マクアケは7月21日に決算発表を予定。これまで急成長が続いているが、企業の資金調達環境の変化が追い風になると期待が一層高まっている印象だ。新興市場の決算発表はまだ少ないものの、東証1部銘柄ではディスコ、日本電産、オービックなどがあり、関連する新興市場銘柄の刺激材料となる可能性もある。

IPO関連では、7月31日の日本情報クリエイト及びSun Asterisk上場を待つ形となる。8月3日上場のモダリスも含め、ブックビルディング(BB)における需要は堅調のようだ。また、7月20日からはティアンドエスもBB期間に入る。

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