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PCR陽性は怖くない。実態の乏しいものを過度に恐れると、本物の経済危機を招く=矢口新

再びコロナ感染者数が拡大しているが、私は「PCR陽性は恐くない」と考えている。ウイルスとの共存には集団免疫の獲得が条件で、そのためには約半数ほどの人が免疫を持つ必要がある。免疫を持つには自然感染するか、ワクチンによって疑似感染するしかない。感染すればPCR陽性となる。となれば、感染者拡大の何が問題なのだろう?(『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』矢口新)

※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』2020年8月3日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。信済みバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

まだ「第1波」が続いている?

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。

それを受けて、東京都は夏休み期間中の自粛を呼びかけ、飲食店やカラオケの営業時間を短縮し、さらなる規制を検討しているとされる。

また、政府が税金を使ったGoToキャンペーンでは懸念されていた通り、東京を外しても感染者を全国にバラまいた形となった。

8月1日時点の日本国内での新型コロナウイルス感染症の感染者は3万5,836人、死亡者は1,011人となっている。また、入院治療等を要する者は9,294人、退院または療養解除となった者は2万5,506人となったようだ。
※参考:新型コロナウイルス感染症の現在の状況 – 厚生労働省(2020年8月1日現在)

ちなみに、世界216カ国地域的には日本は感染者数3万8,636人で50位、死者は1,026人で45位となっている。厚生労働省の数値との若干の違いの理由は分からない。
※参考:新型コロナウイルス感染の現状 – ロイター(2020年8月2日11:42現在)

これを「第2波」と呼ぶ人もいるが、一部の専門家たちが指摘しているように、まだ第1波の終息宣言はどこからも出ていないので、正確には第1波だと言える。

「PCR陽性は恐くない」

私は「PCR陽性は恐くない」と、素人の世迷言を言わせていただくが、専門家の中にも世迷言としか思えない発言をする人がいて、専門家ゆえに世の中を迷わせてしまっているので、素人が好き勝手を言わせていただいても罪は軽いかと思う。

PCR陽性は恐くない。従って、3密を避ける、マスクをするなど、これまでのインフルエンザ対策と同様に気を付けていれば、通常の社会生活を営んで差し支えないと考える。

なぜなら、新型コロナウイルス対策の決め手とされる集団免疫獲得のためには、約半数ほどの人が何らかの形で感染する必要があるからだ。

封じ込めによる全世界的な収束は実現困難で、集団免疫を獲得する以外に収束させる方法はない。

集団免疫とは、全人口の一定数が感染症に対して免疫を有することで、1人の感染者が新たに何人に感染させるかという「基本再生産数」を1未満にし、感染拡大を抑える戦略である。新型コロナウイルス感染症に当てはめると、基本再生産数が2.5程度とした場合、全人口の少なくとも60%程度が免疫を保有する必要がある。

集団免疫を獲得するには2つの方法が存在する。ワクチンと自然感染である。

出典:新型コロナ:新型コロナ収束まで3~5年? 集団免疫の獲得が条件 – 日本経済新聞(2020年4月30日配信)

集団免疫獲得には「全人口の少なくとも60%程度が免疫を保有する必要がある」とされるが、4割程度でも十分な可能性があるという。

新型コロナウイルスの感染が終息に向かう集団免疫について、免疫を持つ人の割合が当初の見通しより低くても効果があるとの研究が相次いでいる。これまで全人口の約6割が免疫を持つ必要があるとされていたが、4割程度でも十分な可能性がある。

出典:コロナ集団免疫、4割でも終息? 第2波警戒は必要 – 日本経済新聞(2020年6月8日配信)

新型コロナウイルスと共存していくためには集団免疫の獲得が条件で、そのためには約半数ほどの人が免疫を持つ必要がある。免疫を持つには自然感染するか、ワクチンによって疑似感染するしかない。感染すればPCR陽性となる。

となれば、感染者拡大の何が問題なのだろう?

Next: 感染すれば、PCR陽性期間に入る。その後、無症状のまま自然免疫で撃退し――



日本人は着実に集団免疫を獲得しつつある?

感染すれば、PCR陽性期間に入る。その後、無症状のまま自然免疫で撃退してしまうと、ウイルスの遺伝子の残骸が消失して、PCR陰性期間に入る。

ところが次に感染したら、無理もしていたので、自然免疫で撃退できずに熱が出て一週間寝込んだ。この間はPCR陽性期間になる。

でも若くて基礎疾患もなかったので、獲得免疫で撃退して治り、抗体ができて、これ以降、抗体検査をすればずっと陽性になる。

しばらくしたらPCRは陰性期間に入る。その後、またしても感染したら、抗体ができているので発症はしないのに、PCR検査は陽性期間に入ってしまう。

出典:高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える | コロナ後を生き抜く – 東洋経済オンライン(2020年7月27日配信)

高橋泰教授はこうも言っている。「現状の7月25日時点の暴露比率は30~40%に想定するのが、実態に合っていると判断している」。

つまり、日本人は着実に集団免疫を獲得しつつあるのだ。この何が問題なのだろう?

自然感染を極度に恐れる必要はない

冒頭で「政府が税金を使ったGoToキャンペーンで感染者を全国にバラまいた」と述べたが、これは集団免疫獲得に貢献していることになる。

自粛政策で経済を止め、観光業を大損失に追い込んだのだから、税金を使ったGoToキャンペーンという損失補填も当然だ。

疑問なのは、なぜ東京を外したのかということだ。損失補填の面でも集団免疫獲得の面でも中途半端な「不平等=利益誘導」政策となった。

ワクチンには副作用がある。抗体維持の期間も限定されているとされているので、何度も繰り返し投与しなければならない可能性がある。

となれば、ワクチンなしで抗体を獲得できれば、それもいいではないか? つまり、自然感染を極度に恐れる必要はないのではないか? 

ここで懸念すべきは医療崩壊だ。PCR検査を増やし、陽性者を隔離し、事後を観察することなどにより、医療資源を浪費することで、最も肝心な発症者を治療することに支障が来ないのだろうか?

情報に踊らされ、実態の乏しいものを過度に恐れることで、(景気悪化を含め)本物の危機を招いているように思えてならない。

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・PCR陽性は恐くない!(8/3)
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※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』2020年8月3日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。信済みバックナンバーもすぐ読めます。

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image by:Cryptographer / Shutterstock.com

相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』(2020年8月3日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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