日本で暮らしている私たちは、常に直接的・間接的に「為替リスク」にさらされています。日本円だけに頼っていては、老後も安心とは言えないのです。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
日本で生活していても「為替リスク」にさらされている
私は、普通の日本人でも外貨を保有することは大事だと思っています。
なぜかと言うと、私たちは日本に住んでいても直接的・間接的に、外国の製品やガソリンなどの資源を使っているためです。輸入品ですね。
輸入品は、為替レートで価格が大きく変わってしまいます。ガソリンは、100%近い割合で輸入しています。為替が変われば、価格に直接反映します。
さらに言えば、日本のメーカーの商品も国内で作られているものは少ないです。例えば、服や下着も日本製じゃないですよね?
また、食品も輸入品が多いです。小麦粉等は輸入に頼っていますので、円安になると麺類や小麦を使ったお菓子などが高くなります。最近は、価格は据え置きで内容量が少なくなっていたりします。
つまり、日本で生活していても「為替リスクにさらされている」のです。
外貨を持っていれば円安に対応できる
今後はさらに少子高齢化が進むと考えられていますので、食品や日用品は、さらに輸入品に頼らざるを得ないでしょう。
資産の一部を外貨建てで保有しておけば、円安の時には外貨が高くなります。円に換金したら多くの円に換えられるってことです。
そうすれば、円安になって輸入品が高騰しても安心ですよね。
Next: まずは米ドルから。どうやって外貨を保有するべき?
外貨は、時間をかけて保有していく
ただし、為替の動きを予想するのはとても難しいので、外貨を準備すると決めたら、一度に外貨にするのではなく、時間をかけて分散して外貨、または外貨建ての金融商品に換えることです。
海外の株や債券の投資信託でも、間接的に外貨を保有しているようなものです。投資信託の積立でも、十分に為替に対応できます。積立で外貨の定期預金も悪くはないのですが、国内での外貨の送金にはとても手数料がかかります。
直接的に外貨を保有するのでしたら、外貨建ての運用手段がたくさんある金融機関で換金してくださいね。
また、外貨を保有するのでしたら米ドルが安心です。為替レートの情報も比較的簡単に取れますので、安く仕入れるチャンスがわかりやすいですね。
『教育貧困にならないために』(2020年10月2日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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