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体育指導より「外遊び」のほうが子どもの運動能力は高くなる

運動ができる子供に育てたいのなら、体操教室に通わせるよりも自由に外遊びをさせるほうが効果的―。いきなり結論を書いてしまいましたが、そこにはきちんとした裏付けがあります。無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、国立大学の名誉教授が調査を通して得た3つの理由を紹介。……たしかに納得できます。

運動のできる子に育てる

私がサッカーの指導をしているからか、読者の方から子どもの体力・運動能力についてご相談をいただくことがあります。

また、サッカースクールの子どもやその保護者から、運動会前に「速く走れるようにしてほしい」との依頼を受けることも。

速く走るコツ」については、本でもネットでも、たくさんの情報が出ていますよね。私もそういったところから情報を仕入れています。

個別に相談された時には、子どもの走る姿を見て必要と思われるポイントを伝授したり、一緒に練習したりしています。

今号の話題は、もう少し広い意味での「運動能力」について。

普段の子育て生活の中で、子どもの運動能力育てるためにできること・効果的なことをお伝えします。

子どもに、運動系の習い事をさせている家庭、かなり多いと思います。水泳、体操、サッカー、野球、新体操、ダンス…。他にもまだまだ、いろいろありますよね。

また、幼稚園・保育園などで定期的に「体操教室」などを取り入れているところも、数多くあるようです。中には、かなり重点的に体育教育を取り入れている園もあります。

そういった活動も悪くはないと思うのですが、私が一番にお勧めするのは、何と言っても「外遊び」です! それも、できれば親子・家族だけではなく、友達と一緒に公園に出かけて、子どもたち野に放つ──という過ごし方が、最高です!

レジャーシートにおにぎり・水筒持参、遊び道具は段ボール(笑)、あとボールなど適当に、水場があるなら網もあるといいかな? 公園で拾い集めたもので基地だって作れるから(^_^)v それから、忘れてはいけないのが、着替え!

こんな具合で、時間を忘れて、服が汚れることなど気にせずに、服が濡れることも気にせずに、なんなら大人は自分の年齢も忘れて、わいわいと楽しむ♪

わたしが以前から言っていることなので、ご存知の方もいるかも知れません。

こんな過ごし方が、子どもの運動能力コミュニケーションスキル知的好奇心忍耐力などを育てるのに最適なのです。

この、私が以前から実践してきている「外遊びが一番」「仲間を誘って公園へ」について、その裏付けとなる調査を見つけました。

東京学芸大学名誉教授・杉原隆氏の調査によると、

「積極的に体育指導を取り入れている幼稚園・保育園よりも、自由に遊ばせている園の子どもの方が、運動能力が高い

との結果が出ています(ちょっと、驚きませんか?)。

その原因として教授は3つの理由を挙げています。

1つは「大人が決めたことをやらせる」よりも「子どもがやりたいことをやる」方が、意欲高く取り組めるから、という理由。

2つめは「説明を聞く時間・順番待ちの時間」。自由に遊ぶ子供たちのほうが、実際に体を動かしている時間長いんですよね。

私が日本サッカー協会の公認コーチ講習を受けた際も、「No 3L」と習いました。

No Laps,(ただグラウンドを走るだけの練習はしない)

No Line,(順番待ちの時間は作らない)

No Lecture.(長々と説明に時間を割かない)

子どもたちがプレーする時間を最優先に確保するように、と。

そして3つめが、動きの種類豊富さの差。定められた運動を繰り返すよりも、好き勝手に鬼ごっこ・木登り・鉄棒・ジャングルジム・砂場遊び・秘密基地作りetc.をしている方が、多くの種類の動き経験できる、という理由。

これらは、どれも納得できる内容ですよね。

そしてもう1つ。「スキャモンの発達・発育曲線」も、私の考えを裏付けてくれています。

「スキャモンの発達・発育曲線」というのは、人体の発達・発育のスピードは均一ではなく、機能・部位によってペースが違うことを示した曲線です。

これによると、就学前の時期は「神経系型」の発達が急激に進む時期。体が様々な動きを習得するのに最も効果が上がるこのタイミングには、形の定まっていない自由な遊びこそが、最適なのです。

だから「小さいうちは野原で・山で・川で、好き勝手に駆け回るのが良い!」というわけです。

ちなみに、筋肉や骨格などの「一般型」は、少し遅れて中高生の時期に大きく伸びる時期を迎えます。特定の動きを強くしたり速くしたりするための繰り返しトレーニングは、もう少し後の時期に取り組むのが効果的です。

いろいろと調査・データを挙げて説明しましたが、じっくり読まなくても大丈夫です(笑)。子どもを外でいっぱい遊ばせてあげることだけ、意識してあげていてくださいね!

image by: Shutterstock

 

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