巨大企業の張り込みからゴミ屋敷まで…報道カメラマンの過酷な1日

 

ゴミ屋敷

T自動車の本社の前で朝から1日中スタンバイ。午後4時、それが解除になって支局に帰る途中、カメラデスクからまた指令がきた。

D:「すぐ、H町に向かってもらえませんか?」

:「今度はなんです? しかもこの時間から間に合うんですか?」

D:「実は下見してきてほしい場所があるんですが、場所がわからないので探してきてほしいんです」

撮影じゃないのか。

その場所というのは、地元では有名な「ゴミ屋敷」だという。だいたいの場所は聞いた。取材はせず、場所と状況を確認してきてほしいというのだ。

見てくるだけなら難なくこなせるが、果たしてそのゴミ屋敷わかるかどうかだ。すでに午後5時をまわっている。暗くなって見えなくなったら、ますます判らなくなるぞ。へたすりゃ、夜の8時、とか9時とか、いやもっと…。

わかるかなあ。撮影とは違う不安にかられながら、車を飛ばした。H駅から北方面、袋小路になってるところらしい。地図を見てもわからない。袋小路になってるところを、1つ1つ見ていくしかない。

まずは駅から一番近い場所から探索しよう。住宅地に入り、ゆっくり走りながら左右を見る。

あった!

タクシーの運転手と、ほぼ同時に声が出た。あったよ、ゴミ屋敷。崩れ落ちそうな住宅と、家に前の道路まで散乱した大量のゴミ。家人がいるかどうかは外から見ただけでは判らない。が、これに間違いない

すぐにデスクに連絡し、状況を報告。支局に戻ったら、印をした住宅地図を本社にファックスすることにした。これで場所はわかるだろう。とにかくすぐ見つかってよかった。ニュース終わりの午後7時には、会社に戻ってこられた。

こんな仕事は、今まで初めてだ。

image by: Shutterstock

 

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