【いじめ対談】5000件のいじめ相談を受けた探偵が語る凄惨な現場とは

2015.12.02
by kousei_saho
 

背後にJKビジネスの存在も

阿部:基本的には録音が多くなってきますね。あと学校でアンケートをとってもらうというのもあります。それと同時に、被害者側の保護者と普段から付き合いのある保護者の協力を得ながら、見たり聞いたりしたことを、周りの子たちからも聞くことと。怪我をしている場合は、本人が言っている話と怪我の部位が合っているかどうかも確認します。あと、手紙で「自殺しろ」とか書く加害者もいるんですよ。彼らは、字を崩しているつもりで書いているんですけど、実はそんなに崩れてない。

谷原:ああ、自分だとわからないようにして、「自殺しろ」と書くんだ。

阿部:書くんですよ。ただ、字の特徴とか出ちゃってるんで、そういった場合については、サンプルを提供してもらって、筆跡鑑定かけたり。……まあ、結構本格的な固め方をしていきますね。

谷原:歳が若ければ若くなるほど、客観的な証拠が必要になっていくんですね。そうやって阿部さんが担当してきたなかで、みんなが驚くような特殊ないじめの案件って、これまでにありましたか。

阿部:やっぱり一番ひどいのは性的なものですね。バックヤードでいわゆるJKビジネスみたいな……半ば犯罪組織みたいな連中が絡んでいて。いじめと言うより、犯罪に巻き込まれている感じだったりと。

谷原:犯罪というと、言える範囲でどんな感じですか?

4

阿部:まあ、言える範囲のやつでいうと……水着を着て接客するようなお店で働かせたりとか。

谷原:その背後に大人がいるんですね。

阿部:いるんです。昔のように不良少年が夜の街で……という感じではなくて、今はネットを通じてそういう世界へと簡単に繋がっちゃったりするので。それがリアルで繋がるようになると、学生にアルバムを持って来させると。で、遠足とか何かの写真を持っていくと、「この子を連れてこい」という話になるんですよ。

谷原:なるほど、悪い大人が。

阿部:ただ、単に呼んだって来ないですから……。そうするとやる方側としては、その子と交渉条件をつけるために、その子の友人をいじめたり、もしくは変な噂を流して孤立させたりと。……そういうようなことをしてですね、本人が直接交渉に来ると「まあ1回でいいから、ここに遊びに来い」みたいな流れです。行っちゃうと、もうアウト。そういうケースの場合は、もはやいじめの枠を超えちゃってるので、警察の方にも介入をお願いしたりとか、色々するんですけども。

谷原:いじめ、いじめられというのが、いつの間にか組織的な犯罪に巻き込まれてしまっている、と。今のケースだと、有害な労働なので児童福祉法違反、それから労働基準法違反という、まあ普通に大人たちが逮捕されるような犯罪ということになりますね。

print
いま読まれてます

  • 【いじめ対談】5000件のいじめ相談を受けた探偵が語る凄惨な現場とは
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け