親が子どもに「交際するな」という権利は法律上認められているのか?

 

今回のケースのように交友関係に口を出すことは、しつけの範囲における懲戒権の行使として行われているのではないかと考えられます。しかし、懲戒権の行使は、あくまで子が健全に成長するために行使される場合において許されるものです。したがって、交際が交際している当人たちの健全な成長のためにプラスになるものであれば、そのしつけは「間違っている」ことになるのではないかと思われます。

たとえば、どのような付き合い方をしていくのかということを説明したり、学業に支障の無いように交際していくことを約束したりして、「当人たちの健全な成長のためにプラスになる」という点を相手方の親御さんが納得するように説明されてはいかがでしょうか。実際に会ってお話するのが緊張されるのであれば、お手紙などを書くというのもひとつの方法ではないかと思います。

一方、親が子を家から追い出すというのは、監護教育上その責務を放棄することを意味し、好ましいものではありません。また、彼氏さんの生活が困窮するということからも避けた方がよいのではないかと思われます。むしろ、先述の説得がうまくいけば、親元で生活しつつ、きちんと交際もできるわけですから、まずは説得を優先されるべきだと思われます。

隠れて付き合っていることがバレて、相手方の親御さんの態度が硬化することも考えられます。そうであるならば、交際が健全なものであることを理解してもらって、安心してもらった方が解決への近道だと思われます。

陰ながら、交際が認められることを応援しています。頑張ってください。

[関連情報]:子供宛ての手紙を勝手に見たら犯罪?

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