中国の機密暴露か。米国に亡命した共産党要人のリークに震える習近平

 

それはともかくも、昨年9月末に行われた米中首脳会談ではほとんど何も決まらず、習近平に対するオバマ大統領の冷めた態度が話題になりました。習近平は「新しい大国関係」を強調するだけ、逆にオバマ大統領からは「中国はサイバー攻撃をやめろ」と言われて、約束させられてしまいました。習近平側の外交的敗北は明らかでした。

その後、米中関係は急速に悪化し、南シナ海にアメリカ軍が展開する「航行の自由作戦」へと進み、中国が反発するという構図が繰り返されてきたことは、ご存知のとおりです。

しかしここに来て令完成がアメリカ側に情報提供を始めたということで、中国政府は非常に焦っていることでしょう。以前のメルマガでもお伝えしたように、習近平政権は自らのスキャンダルを封印するために、香港の銅鑼湾書店をはじめ、出版書店関係者を拉致拘束しています。

習近平は腐敗追放運動によって、政敵の勢力を弱体化させてきましたが、その結果、多くの汚職官僚が追及を恐れて海外逃亡するようになりました。そのうえ、習近平政権の息の根を止めるかもしれない爆弾までも外国へ流出させることになったのですから皮肉なものです。

一説によれば、アメリカのCIAはすでに令完成の機密書類をすべて調査完了しており、それ以外の「裸官」(海外に妻子と不正蓄財を逃して自分は中国に残って汚職を続ける官僚)の資料も1人残らず把握しているとも言われています。

「令完成が機密文書をアメリカ当局に提出し始めた」といった情報を少しずつ流し、習近平政権が慌てる反応を見ているのだともいいます。そうであれば、令完成を中国に送還しても、どうということはありません。

中国からのキャピタルフライトは年間300兆円とも、600兆円とも、さまざまな説がありますが、いずれにせよ、このまま資金流出が続けば、世界の最貧国レベルまで落ちていくことは避けられない情勢です。アメリカとしては、あとは軍の造反を待っているところなのでしょう。

また、習近平の盟友である王岐山についても、最近、習近平と距離を取りつつあると言われています。その理由について、チャイナウォッチャーはいろいろと憶測していますが、もしかすると、王岐山も海外への高飛びを考えているのかもしれません。とはいえ、中国から脱出しても、上海閥の怨みは激しいですから、いずれ報復される可能性も高いといえるでしょう。

習近平は中国の経済破綻、国内での反対勢力からの反撃などに対処しつつ、外国からの機密情報漏えいに怯えなくてはならないという、まさに四面楚歌的な状況に陥っているのです。

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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