太陽の300兆倍!「宇宙でもっとも明るい銀河」が発見される

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NASAが「宇宙でもっとも明るい銀河」を発見したというニュースが天文学界で波紋を呼んでいます。その明るさはなんと太陽の300兆倍以上。しかもただ明るいだけではなく、この銀河の中心には巨大なブラックホールも存在するという。メルマガ『週刊 サイエンスジャーナル』では、この桁違いに明るい銀河について詳しく説明しています。

「宇宙でもっとも明るい銀河」発見!太陽の300兆倍の赤外線!その正体は?

夜空で最も明るい天体は何等星であろうか? 1等星の数は21個あり、その中でもシリウスは、-1.47等級。惑星ならば金星で-4.7等級。実はもっと明るい天体があって、月ならば満月で-12.7等級、太陽になると-26.7等級である。

太陽も恒星だが、地球に一番近いから明るいのは当たり前だ。等級には実視等級と絶対等級があり、同じ距離で比べないと本当の明るさはわからない。それが絶対等級だ。 絶対等級は、「仮に32.6光年の距離(10パーセク)に星を持ってきたときに何等星に見えるか」によって決めている。 どの星も平等に等距離(32.6光年)にあるとして、明るさを比較しようという発想だ。

太陽は直接目視できないほどの明るさであるが、絶対等級では4.8等星でしかない。だから、太陽よりも10倍~100倍明るい星があるというのもありうる。だが、宇宙で最も明るい天体というとそんなものではないもっと桁違い

今回、NASAなどの研究チームが発見した天体は太陽の300兆倍を超える赤外線を出す「宇宙で最も明るい銀河」だ。まばゆい光はブラックホールによる可能性があり、銀河の重要な局面をとらえたという。

この銀河は、みずがめ座の方向の地球から125億光年離れた場所にあり、地球がある銀河より小さいが、1万倍のエネルギーを出している。ただ、放出する光の99%は赤外線で、普通の望遠鏡で見るのは難しいという。NASAは赤外線宇宙望遠鏡WISE(ワイズ)で観測した。

研究チームは中心に太陽の10億倍という巨大なブラックホールがあり、最長で13億年かけて成長したとみている。ブラックホールは様々な物質を吸い込み、周囲のちりを加熱し赤外線を出すと考えられている。

国立天文台の柏川伸成准教授(銀河天文学)は「この大きさに13億年で成長するのは通説では説明しにくい。宇宙の成り立ちを考える上で波紋を呼ぶ発見だ」としている。

image by: NASA

『週刊 サイエンスジャーナル』

著者/なみ たかし
大学でライフサイエンスを学ぶ。現在/理科教員/サイエンスコミュニケーター/サイエンスライター。メルマガでは毎日の科学ニュースをもとに、最新科学やテクノロジー、環境問題や健康情報など、役に立つ科学情報をわかりやすく解説。
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source: マイナビニュースvia FUTURUS

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