世界が阿鼻叫喚。「パナマ文書の震源地」にいた日本人が語る現場の様子

 

いまから2か月ほど前、僕自身この発端となったパナマや、今回の「パナマ文書」内に記載がある「ペーパー・カンパニー」の大半があるBVI英国領ヴァージン諸島)に滞在し、本メールマガジン冒頭でもお話ししましたように、また、ブログにも記載しましたが、その時の「オフショア金融センター」を訪れる「現代の金融海賊たちの慌て様は、ただ事ではありませんでした。

街中の高級レストランで、南の島々が似合わない男たちが、声高々に叫び合っているのですから、それはまるでなにかの「危機を予兆」しているように僕には見えました。

その人々は、英語、中国語、ロシア語、スペイン語と多岐にわたり、BVI(英国領ヴァージン諸島)をはじめとする「オフショア金融センター」が、いかに世界中の人たちに活用されているのか、実感できる時でもありました。

おそらく、その人たちはこの「パナマ文書」が公になるのを事前に察知し、なんらかの手を打ちに来たものだと思われます。

さて、「オフショア金融センター」の活用には、違法性はないと言われていますが、政治家株式公開企業は、それなりのモラルが問われることになります。

第一、後ろめたいことがなければ、わざわざ遠く離れた行ったこともない小さな南の島に、大企業や政治家および親族が関連会社を作る理由がありません。

現在、この事件は各国で大事となり、すでにアイスランドの首相は辞任し、欧州や米国司法省、そしてシンガポールまでもが徹底的に調査し、厳正に対処する姿勢を示す一方、日本の菅官房長官は「日本政府としては調査しない」ことを明言しました。

実際はともかく、原発同様、表面的には調査をすると発表すれば良いものを、あえて調査をしないと明言することに、日本の本当の闇の深さが伺えます。

もしかしたら、この「パナマ文書」もしくは類するものは、党の存続に関わるほどのことなのかもしれませんし、選挙が近いからなのかもしれません。

本件は、現在膨大な量のデータ解析を行っており、今後次々と発表があるのと同時に、これからも同じように内部関係者によって、このような秘匿情報が表に出る可能性が高くあります。

なぜなら、インターネットの力とは、ダウンロードではなく、アップロードこそ真骨頂だからです。

これから数年で、次々と世界の暗部が表に出てくることになるでしょう。

その都度、世界は大きく揺れることになります。

image by: Shutterstock

 

高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋

著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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