iPhoneに勝てない戦場プロカメラマンの苦悩

ChameleonsEye/Shutterstock
 

さて、またしても、市場から追い出されそうなカトケンはどうするか。武器の性能や特徴などはグーグルで出てくるが、現場での使用感は現場で軍事視点で見てきた者しかわからないので、カトケンは使用感を含めたキャプションを売りにすることにした。自分のホームページ「東長崎機関」で戦場や武器の写真はアップしてあったので、その画像の使用は無料としつつも、、画像中の説明については、お金を取るという手法である。テレビ局などイメージ写真としてしか使用しない媒体は無料で持っていったが、写真の内容説明が必要な深みのある記事に対してはビジネスになった。だが、もう薄利少売だ。

さらに2011年ころから、次の段階が来る。戦場の兵士や戦士たち自身が、YouTubeにどんどん映像をアップしてゆく時代になってしまった。これで、戦場カメラマンは静止画屋も映像屋も、市場から必要とされない職種になったといっても過言ではない。日本人のようなよそ者がカメラ担いでウロウロ行くメリットはない。最前線に固定されたビデオが砲撃で破壊されても、SDカードが生きてればよい。このころから、「ゆっくり喋り」で売り出した戦場カメラマン渡部氏が脚光を浴びる。戦場カメラマンの主力商品が写真でないことを端的に表した現象だ

ミリヲタのカトケンは、ネット上にある膨大に戦闘映像と、グーグルアースの画像で、戦場を俯瞰して作戦戦略を推測することにした。これは、ヲタクでなければできない陰気な作業だ。戦場報道は、世界のどこへでもすっ飛んでいくアウトドアーな人向きの職業ではなく、室内のヒキコモリ向きな仕事になっていく。

このように、1つの職業でも、主力商品がどんどん変わってゆく、その変化についてゆくのではない。その変化を創り出すのだ。そのためには、過去の自分の主力商品をゼロ円提供してゆく勇気が大事である。世間の流れによってゼロにされてしまうのを待つより、先手を打って自分の手でゼロにしたほうが新市場を主導できる。

さて、2004年より、バグパイプ奏者(音楽業界)に転向してるカトケンは、奏者の主力商品をどうチェンジしてゆく?

異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまでより一部抜粋

著者:加藤健二郎

異種雑談会の内容:建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者、と転身してきてる加藤健二郎の多種多様人脈から飛び出すトーク内容は、発想の転換や新案の役に立てるか。時折、ノウハウ的な面を濃くするため、全員公開でなく、有料にしました。ノウハウはその他大勢が知ってしまって武器にならない。

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