日本人は丸ゴシックがお好き? 標識や看板に同じ書体が使われるワケ

 

世界的に有名なタイプデザイナー小林章さんの著書『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』を先日買いました。

このエントリーを書く前に読んでしまうと、それに引きずられそうなので読みませんでした。ここまで文章を書いたので、先ほど、読みました!

小林章さんの本の中で「止まれ」の標識が例題になってました! 同じものに目が行きました……。なんかうれしいです(笑)。

小林章さんの『まちモジ』の第1章「~日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?~」ではこんなことが書いてありました。

  • 手書き看板職人にとっては角ゴシックよりも丸ゴシックのほうが早く書ける
  • 平筆(看板書きで使用する筆)の動かし方、レタリングの観点からすると、角ゴシックのトメやハライの角処理に手間が掛かる
  • 大きな文字の角ゴシックのハライ処理がうまくないと「ざわついた感じ」になる

やはり、小林章さんの考察はすごいですね。恐れ入りました。興味のある方は手にとって読んでください。

小林章さんの本のタイトルが『まちモジ』だったので、僕のメルマガエントリーでは「まちもじ」にしました。

過去に、文字の巨匠である小林章さんの、カリグラフィー講座やセミナーに3回参加しました。毎回、文字の歴史や文字の深い話を、わかりやすくやさしく解説していただきました。とても勉強になります。

小林章さんの書籍はそれ以外にこの2冊を持っています。読んで楽しかったのでご参考までに紹介します。

●『フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?

●『欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

どちらの書籍も欧文書体(アルファベット)のことが書かれていますが、文字のデザインを学ぶ上で、まずは欧文書体を知ることが近道だと思います。

文字の世界は楽しいですよねー。

そういえば、デザインの月刊誌MdN(2015年6月5日発売)ご覧になりましたか? 特集は『絶対フォント感を身につける』です。特別付録の小冊子は160ページのフォント見本帳です。

この本は、文字オタク向けではなく(もちろん、文字オタクも買うと思いますが)、文字が少し気になる、フォントをちょっと勉強してみたい、という人向けに制作されています。人気あるみたいで、僕もやっと今日入手しました。書店でも売り切れのところが多いですし、ネット書店でも在庫なしのところが増えてきました。

この雑誌の「絶対フォント感を身に着けるための参考書」のページに12冊掲載されていましたが、その中の10冊は持っていました(笑)。

厳選12冊の中にデジクリ編集長の柴田忠男さんが編集した『基本日本語活字集成 OpenType版』が紹介されています!!

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気になる方はお早めに(ただ単に個人的にオススメ雑誌なだけです……)。

次回はまちもじ第2回をお送りします。どんな書体が登場するか、お楽しみに。

image by: wikimedia commons

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月刊MdN 2015年 7月号(特集:絶対フォント感を身につける/付録小冊子 フォント見本帳)

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