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先方「またこちらから連絡しますから」…お客様の断り文句のウラにある本音

お客さんが口にする断り文句……これって実は反射的なもの? 戦略コンサルタントとして活躍する中久保浩平さんは、営業マンが陥りやすい“断り文句に関する誤解”と、それを乗り越え成果を上げるための秘訣を、自身のメルマガで大いに語っています。

お客さんの断り文句

営業活動をしていても、なんら成約には至らず断れるケースがほとんど……というような営業マン、少なくないかと思います。特に新規営業では多いのではないでしょうか。

商品やサービスをお客様に勧めたところ、
「また機会があったら……」
「もう付き合っている会社があるから……」
「今、忙しいから、話聞いている暇がないんだよね。」
「またこちらから連絡しますから……」
などの断り文句を何度も聞いた経験があると思います。

実際、私自身も耳にタコができるくらい耳にしてきました。

では、自信があり顧客からも喜ばれている商品(あるいはサービス)なのにお客様は断り文句を並び立てるのか?

答えはとっても簡単です。

それは、お客様は営業マンがやってきたら、いつでも追い払えるように「断り文句」を常に用意しているからです。

「あっ、営業をかける気だな。」と分かれば反射的に準備していた断り文句を、口に出すのです。まさに売り言葉に買い言葉、です。

これは、みなさんもそうだと思います。

たとえば、忙しい時、あるいは何かに集中している時に突然、営業マンが目の前に現れて、
「○○に興味がありますか?」
「○○にお困りじゃありませんか?」
なんていわれたら、うっとうしいだけですよね。「別に興味ねぇし、困ってねぇよ。」ってなりますよね。

で、反射的に「間に合ってる。」とか「また何かあれば」なんてことをいって、営業マンを追い払いますよね。

しかし、不思議な事に自分が営業マンの立場になったら一瞬にして、お客様の迷惑を省みず営業してしまうのです。

お客様は普段、みなさんの商品やサービスのことなんて、全くといっていいほど頭の中にありません。また、日々、営業電話がかかってきたり、メールやFAXが来たり、飛び込まれたりで、営業が来たらどうやって断るかってことを用意しているのです。

ですから、営業、売り込み、って分かったら、反射的にNOと断るのです。

では、どうやってこうした場面に対処していけばいいのでしょうか?

>>次ページ お客様の話をひたすら聞くことに徹する

それは、とても単純なことです。売り言葉に買い言葉、反射的にNOと言っているだけだから、営業をしなければいいのです。売ろうとしなければいいのです。

もう少しいうと、営業だと分かればお客様はNOと即座に応えるわけですから、営業だと分からなくすればいいのです。それを、あの手この手で、巧みな営業トークで……って考えるから余計にドツボに嵌るのです。

「そんなこと言われたって、営業マンって売ってナンボでしょ。」と思う方もいるでしょうが、巧みなトークで……なんていう営業マンなんてそうそういませんし、

あえていうなら、売ってナンボではなく、その営業マンから売れてナンボ

トップ営業マンと言われる人達と、これまでにたくさんお会いする機会がありましたが、みなさん特に飛びっきりのテクニックや裏技、魔法なんてものを使っているのではありませんでした。

お客様が断るのは、反射的なものってことを知っているから、決して無理に売りつけないし、イキナリ「商品のご案内です。」なんていって、パンフレットを鞄からゴソゴソと取り出したりしません。

では何をしているのか?というと、

「自分が今、なぜお客様の前にいるのか?」を明確にした上で、お客様の話をひたすら聞き、聞いた話を踏まえた上で、そのお客様の為になるのなら、商品やサービスの案内をします。商品やサービスがそのお客様にとって有益と思えないなら、案内はしません。

ただそれだけです。

つまり、お客様から断り文句を言われても、それは本音ではなく「ただ反射的に言っている」と察知し、商品を売りに来たわけではない、というスタンスを明確にして、接しているのです。

その上で必要であれば商品やサービスを案内する、決してごり押しや無理に口説く、なんてことをしません。

お客様の立場に立って、ということをよくいいますが、100%完璧にそのお客様の立場に立つことはできません。

なぜなら、そのお客様自身にはなれないのですから……そいうこともちゃんと理解しているので、「お客様の話を聞く」これを徹底しているのです。

商品やサービスに自信があれば尚のこと、お客様の話をトコトン聞いて、その話に見合った価値を提供できるなら堂々と商品やサービスを案内すればいいのです。

ちょっとでもお客様の為に有益ではないと判断すれば、案内などする必要もないのです。

ですから、無理に売り込む、商品説明をグダグダとする、「見積りだけでもお願いします!」なんて必要は全くないのです。

>>次ページ とある経営者からの相談メール

時々コンサルティングに関する問合せを頂きますが、最近、経営者のAさんという方から「集客や売上を伸ばす為の方法を伝授して欲しい。」という内容のメールがありました。
※業種、社名、名前等は伏せさせて頂きます。また、内容の詳細は割愛させて頂きます。

なので、

『これは、どの方にも申し上げていることなのですが、詳細をヒアリングもしていない状態で、「このような方法がある」なんてことを申し上げるのは無責任なことですし、私の方で、こうした方法があるとお伝えしてもAさんにとって合わないものであれば、
それは決して成果に結びつきません。

また、万が一、集客に関するテクニックやノウハウだけをお望みであれば、私は一切お役に立てることが出来ません。

テクニックやノウハウというものは、一過性のもので終る可能性が高いので、一時的に集客が上手くいってもしばらくすると、また必ず同じように集客に関して悩むようになります。よって真の課題解決にはならないのです。(これまでそうしたことで何度も同じ失敗を繰り返す企業や店舗をたくさん目にしてきました)

私がご提供できるコンサルティングサービスというのは、そうした一過性で終るものではありません。

言ってみれば長期的に安定した集客が可能になるマーケティングや営業での戦略を構築し実際に実践してその力を確実に身につけて頂くというものです。

また、そのような環境作りをサポートさせて頂くというものです。(ご自身でノウハウを構築してもらうというイメージです。)

万が一、よくある集客のテクニックやノウハウだけをお望みならテクニックやノウハウを売りにしたコンサルタントは他にたくさんいると思いますので、そうしたコンサルタントをお探し下さい。

そうではないのであれば、お声掛け下さい。きっとお役に立てるでしょう。』

と対応させてもらいました。

これ以降、このAさんからは返事がありませんでした。

>>次ページ お客様の立場に少しでも近づくには

少し、話がズレたかも知れませんが、営業、商談の場において「そのお客様の為には有益であると判断できれば、商品を案内する。そうでないなら案内しない。」という、イメージが少しでも伝わればと思います。

営業・販売の際には、お客様の断り文句は反射的なモノと捉え、お客様の本音に迫る工夫やお客様の立場に近づける工夫を考え、接するとよいでしょう。

これだけでも、営業の質は今まで以上に高まるはずです。

今日のまとめ

『営業とわかればお客様は反射的に断る。』
・お客様に断られる理由を、ノートに箇条書きで書き出す。
・上記で書き出しものに対してどのように対応すれば良いか?考え社内で話し合う。
・お客様の本音に迫る、お客様の立場に少しでも近づくには、どんな対応、接し方、アプローチがよいか?も話し合う。

image by:Shutterstock

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