多くの女性は、高い声の男性よりも低い声の男性に「魅力」や「セクシーさ」を感じるというのがこれまでのイメージでした。しかし、最新の研究結果ではどうやら違う結果がでたようです。
男性の低い声は同性を威嚇するためのものだった?
英ガーディアン、NBC Newsなどの各メディアが伝えたところによると、男性の声が低いのは、「女性を惹きつけるため」ではなく、「他の男性に対して威圧の誇示をするため」であるということが、ペンシルバニア州立大学が発表した研究でわかりました。
研究チームは500人以上の男女の話し声を録音し、その録音した声を1,100人以上の男女に聴いてもらいました。録音した男性の声に対して、男性は「支配的」、女性は「短期間及び長期間の交際相手として魅力的」と感じる傾向にありました。
しかし、男性は一貫して「支配的」であるという評価がなされたのに対して、女性の聞き手は「低めの声に魅力を感じる」という評価には一貫性がないという結果が出たそうです。
この結果はまさに理にかなっているそうです。
なぜなら、低く太い声の男性は、「コルチゾールのレベルが高くなく」、「テストステロンのレベルが高い」ということも、この研究の中でわかったそうです。
コルチゾールとはストレスホルモンのことで、うつ病、不眠症などにも関係があると言われています。
テストステロンは、男性に多く分泌される男性ホルモンのひとつです。
一般的にテストステロンが高い人ほど、「男らしい」といわれています。
つまり、「低い声の男性」は「男らしい」ということにつながりますが、それは他の男性にとっては「支配的」に感じることにつながります。
ペンシルバニア大の研究リーダー、デイビッド・プッツ教授は、「自然選択」の特徴が、常に最も魅力的なものと考えられるものではない、と考えています。
「美しい尾で誘惑する孔雀と人間の男性は違います。例えば、人間男性のあごヒゲは、支配的な外見で、恐ろしさや危険さといった印象を与えます。しかし、多くの女性はヒゲがちゃんと剃られた男性を好むのです」
つまり、男性の低い声は「女性にアピールするためのもの」ではなく、実は「同性の競争相手を威嚇するため」のものだということになります。
この研究を自然科学者ダーウィンの「自然選択」の理論の点から考えても、面白いかもしれませんね。
今回の研究では女性の声については何も発見が得られなかったそうですが、女性の声の高さにも何かしらの意味があるはず。
実際、あなたは低い声の男性に対して、どんなイメージを持ちますか?
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Source by: NBC News, 英ガーディアン, attn, Complex , EurekaAlert
文/MAG2 NEWS編集部