安倍政権、終わりの始まり。「強行採決」で始まる崩壊カウントダウン

 

加えて、8月から9月秋口にかけては、アベノミクスの破綻がいよいよもって誰の目にも明らかになる可能性がある。金融緩和で円安と株高を演出して国民を目眩ましにかけ、その幻想が破れないうちに実体経済を上向きにしてインフレ目標2%を達成するという「日銀マジック」はすでに完全に行き詰まっていて、新規発行国債の9割を日銀が買い上げている現状で「追加緩和策」はありえないし、かといってインフレ2%目標を取り下げるのはアベノミクスの理論的な間違いを認めることになる、というジレンマに直面している。

それでも何とか体面を繕ってきたのは株高だが、それもギリシャ国民投票の結果や中国株価の不調という外からの横波で日経平均の大下落に遭っている。さらにTPPが決着すれば、これまた自民党内の大騒動の引き金になる。こういうふうに、悪いことが重なって止めようがなくなるのが政権末期というもので、すでに安倍はその入口に差し掛かった。

日刊ゲンダイ7月9日付から転載

image by: 自由民主党

高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。
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