【傍聴記】鞄に下着があったら密輸を疑え?理解不能な「謎」の判決

shutterstock_160035851 copy
 

毎回裁判を傍聴し、事件の知られざる裏側を紹介してくれる、メルマガ『今井亮一の裁判傍聴バカ一代』。今回は、今井さんが傍聴した3つの裁判についてその詳細と感想を語ってくれています。特に最も傍聴したかった事件として、ある「麻薬密輸」事件を紹介。「真実はどうか知らないが」と前置きをした上で、裁判官の仰天な判決に苦言を呈しています。

<香港で荷物を開けたら大量の女性下着が>

5日(火)13時20分~13時30分、東京地裁719号法廷(20席、駒田秀和裁判官)で「窃盗」の判決。

1月22日に「派遣先の民家から宝石窃盗 家事ヘルパーの女逮捕」と報じられた事件だ。前々回(5月20日)の様子は本誌第1702号でレポートした。

前回(6月24日)も傍聴した。情状証人(夫)と被告人質問だった。被告人氏名が平仮名3文字の女性名で、しかし地味系なおばさんであるせいか、傍聴人の出入りがやたら激しく、しょっちゅうドアがバッタンガッタン、衣服や荷物がシャカシャカ、うるさくってもう。

被告人は夫に内緒で母親に金を貸し、その母親が亡くなって預貯金がなくなり、夫は失業中で、10代の子どもが2人いて、闇金から借金し、夫との関係はうまくいっておらず…。そんな感じでだいぶ追い詰められてたんだそうだ。求刑は懲役2年6月。

そして今日の判決は、懲役2年6月、執行猶予4年

大廊下(俺の歩測で約100m)へ出て南側へ早足で歩きつつ、途中の非常階段を2つ下り、東京高裁506号法廷(42席、植村稔裁判長)へ。

13時27分頃に入ると、「詐欺、詐欺未遂(認定罪名:詐欺)の控訴審判決の最中だった。被告人は身柄(拘置所)。髪の濃い、背が高めの若者だ。

裁判長 「電話帳ソフトを用い…女性名に電話をかけ…公共事業債…パンフレットを用意し…アポ役…パンフレット発送役…あとで電話をかけ…(債権を)高値で買い取る…一度成功すると、それに乗じて別の理由で同じ被害者から…月曜から金曜、ほぼ毎日電話…」

たぶん、高値で買い取る、金はこちらが出す、名義だけ貸してほしい、名義貸しは違法だ、捜査当局が動いた、財産を没収される、逮捕される…などと高齢女性の不安をあおって翻弄し、とことん吸い取るタイプの詐欺じゃないかな。

被害総額は1億2350万円にのぼるんだという。被告人(前科なし)はその詐欺グループの中で宛名ラベルの作成などを担当してたんだそうだ。

原判決は懲役6年、その未決算入は不明。今回の控訴審判決は控訴棄却、当審未決60日算入。

「詐欺未遂」が「認定罪名:詐欺」とされてるのはなぜか。

裁判長 「2500万円は第三者に渡り、未遂となっているが、被害者はこれを失っているのであり…」

うわぉ、もしかして別のアウトローが横取りしたのか? そういうことってけっこうあるのかもね。だって、パンフをつくって毎日電話をかけまくるとか地道に頑張るより、さくっと横取りするほうが楽だし、詐欺犯は警察に被害届けを出せないから。

print

  • 【傍聴記】鞄に下着があったら密輸を疑え?理解不能な「謎」の判決
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け