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【豆知識】なぜ日本語には「ラ行」から始まる言葉が少ないのか

親子で場所を問わず遊べる昔からの遊びといえば「しりとり」。大人同士でも、暇な時にふと「しりとりしよう」なんて始まったりしますよね。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、楽しいしりとりを有利に戦うことのできるコツを伝授。同時に日本語の起源も学ぶことができますよ。

しりとりで有利に戦うコツ

国語辞典を引いたことがない…という方はおそらくいないと思うのですが、ア行、カ行、サ行…それぞれの行のページがどこからどこまでなのか、わかりやすくなっていますね。

お手元に国語辞典があれば、試しに見ていただきたいのですが…、ヤ行やワ行は、もともと「や・ゆ・よ」と「わ・を」しかないので、他と比べて少ないのは当たり前として、ラ行も同じくらい少ないのにもお気付きになると思います。

ラ行から始まる語は他の行に比べて少ない。なぜでしょうか?

日本語がどこから来たのか…というのは実はいろいろな説があって、これ! という決定打は今のところありません。ただ、アルタイ諸語…と呼ばれるユーラシア大陸全般に見られる諸言語との共通点がいくつか見られます。そのうちのひとつが「語頭にr音が立つのを嫌う」という性格です。簡単に言えば、「単語の始まりの音はラ行以外になりやすい」ということです。

韓国語でもよく似た性格があって、「李」という名字の人は中国も韓国も多いのですが、韓国の方なら「イーさん」、中国出身なら「リーさん」となります。rの音を発音しなくなるのです。

日本語の本来の語彙、これを和語とか大和言葉などと言いますが、それらにはラ行音から始まる単語は少ないのです。国語辞典のラ行のところを見ると漢語か外来語ばかりが並んでいます。ですから…、しりとりをする時に、語尾がラ行音で終わる単語を探して相手に渡すと…、相手は言葉を探すのに苦労することになります。

他には濁音で始まる言葉も全般に少ないはずです。これも本来の日本語の特徴のひとつです。濁音から始まる語も、たいてい漢語か外来語になります。

そして…しりとりの決着は語尾が「ん」で終わることですが、これももともと日本語になかった音で、漢語が大量に入ってきてできた音と考えられています。和語で答えられたら「ん」が出てくることはなかなかありません。逆に、漢語や外来語だと「ん」で終わる単語になってしまう可能性が高くなります。

さあ、しりとりで有利に戦いを進める方法が見えてきました。ラ行音か濁音で終わる語で相手に渡すのです。相手は、ラ行音か濁音で始まる語を探すことになりますが、数が少ないので大変です。その上、語尾が「ん」で終わる可能性も高くなり、「やった、見つけた!」と思っても「あ、『ん』で終わる…」となることも。

言葉遊びのひとつ、しりとりですが、ちょっとしたことで有利になる、というのが今日のお話でした。

image by: Shutterstock

 

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