渡る世間は鬼ばかり? 社員にゃ分からぬ、経営者たちの終わらない苦悩

 

永江一石さんの回答は?

この回答は明白で、経営者が常日頃何に一番心を砕いているかといえば「資金繰り」の一言に尽きます。言うまでもなく、健全な会社運営のためには経営者がキャッシュフローをきちんと把握していることが最重要です。例えばどんなに利益が出ている企業でも、3月末に決算が終わって税金を払い終えた後は現金が手元に残りません。にも関わらず、7月にはボーナス時期がやってくる。社員に給与を支払うため、自分の報酬分は会社に貸し付けてタダ働きする…なんて話もザラにあるんです。

一方で、多くの従業員にとって給与は会社から与えられるもの」なので、資金繰りの苦労は分からないでしょう。せいぜいサラ金に手を出した人が返済で首が回らなくなるぐらいのものではないでしょうか。しかし経営者にとっては、そのサラ金に取り立てられる緊迫感が毎月月末に必ず訪れるのと同じなんです。

わたしが社員を抱えるのもオフィスも持つのも避けたがる理由はそこで、なるべく固定費を減らして会社のリスクを最小限に抑えるよう心掛けています。

「法律知識や文書届出」などは後からいくらでも身に付けられますよ。もちろん登記関係は司法書士さん、人事関係は社労士さんなど専門的なことはプロに頼まないといけませんが、優秀な税理士さんが一人いれば一手に引き受けてくれますので個別に依頼する必要はありません。実際、わたしもそうしてます。

つまり、経営者と従業員の一番の違いは資金繰りの苦労があるかないか」の一点だといえます。これはおそらく経営者の方なら首が痛くなるほどウンウンと頷いてくれるのではないでしょうかw

image by: Shutterstock

 

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著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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