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台風が関東接近。実は意外と知らない「台風情報」の正しい見方

台風が列島にひとたび接近・上陸すれば大変な被害がもたらされることを、台風大国でもある日本に住む私たちは熟知しているはず。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では「正しく気象情報を理解するための基礎知識」を紹介するとともに、台風へのできうる限りの備えを呼びかけています。

【関連記事】台風の暴風圏内を100%当てる。気象庁サイトの意外な使い方

そもそも、台風とはなにか?

「台風」は、日本の周辺、北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速がおよそ17m/s(風力8)のものを言います。とはいえ、「風速17m/s」というのがどのくらいのものか。それがわからないとダメですね。

平均風速が15m/sを越えると風に向かって歩けなくなり、看板やトタン屋根なども外れることがあります。予報では強い風」と言われます。平均風速が20m/sを越えると「非常に強い風」。何かにつかまっていないと立っていられなくなり、飛んでくるもので怪我をすることもあります。子供だと転倒したり、飛ばされたりする恐れもあります。

そう、台風の最大の特徴は」なのです。もちろん大雨にも警戒しなければなりませんが、「雨に加えて強い風が吹く」ということです。

上にも書きましたが、大人でも満足に歩けなくなるので子供は特に注意が必要です。例えば大阪市の教育委員会のサイトを見ると、「暴風警報が朝7時時点で発令されていると、自動的に休校です。「大雨・洪水警報」では状況によって早く下校させるなどはあるようですが、休校にはなりません(地域によって事情が異なりますので、お住いの地域ごとに確認は必要です)。

物が飛んでくる。まっすぐ歩けなくなる。場合によっては飛ばされる。危険ですね。もちろんもっと強い風が吹くような場合は、大人も飛ばされることだってありえます。

まずは「風への対策」が重要です。風が強くなってきたら、外出を控えるのが一番だと思いますが、そうも言ってられない時には周りには十分注意しましょう。また自分の家の周りをよくよく見直して、飛んでしまいそうなものはないかを点検しましょう。家の中に入れたり、くくったり、補強したり。周りに迷惑かけずに済みますね。

正しい理解できちんと備える

気象情報を見たり聞いたりした時に、どれだけ正しく状況を理解できるか。その違いは、自身の安全に関わりますね。

上で「強い風」と「非常に強い風」をご紹介しましたが、例えば平均風速が10m/sから15m/sだとやや強い風」と言われます。風に向かって歩きにくくなり、傘がさせなくなります。「やや強い風が吹くでしょう」と言われたら、用意するのは傘ではなくレインウェアだ、ということになるのです。

風に限りません。雨や洪水などについても、注意報・警報の出る区域が細かくなっています。ずっと以前は都道府県を2つか3つ程度に区切っての気象警報・注意報の発令でしたが、それでは「自分には関係ない」と思ってしまうことも多々ありました。5年ほど前から、市町村単位に近い形で出されています。

テレビやラジオのニュースの中では、ある程度の地域をまとめて読み上げられますが、図などでよく確認しておくといいと思います。自分の住んでいる地域今居る地域で、どのような気象警報・注意報が出ているのだろうか、ということをまず把握するのが大事です。

また、例えば「大雨警報・注意報」「洪水警報・注意報」なども、細かくみると地域によって少しずつ基準が違います。地域の事情、防災計画に合わせて基準が定められています。そういうのも一度見ておくといいかもしれません。気象庁サイトからも確認できます。

気象庁|気象警報・注意報

風と雨がセットで来るのが台風

台風だと、やはり「風」ですね。「強風域」や「暴風域」、「暴風警戒域」などよく似た言葉が並ぶのでわかりにくいかもしれませんね。

強風域」というのは,台風の周辺で平均風速が15m/s以上の風が吹いているエリアのことです。15m/s以上となると、風に向かって歩けなくなり、物も飛んでくる可能性が高まっている状況です。ただ、「25m/s未満も強風域なので、実際にはかなり風が強い可能性もあります。

暴風域は平均風速25m/s以上です。ここまでくると「屋外での行動は極めて危険」とされています。家の中、建物の中に避難する、ということが基本になります。

暴風警戒域」は、予報に関連する言葉で、台風の中心が予報円の中を進んだら、このエリアで暴風域になるだろう、というエリアです。

また、これらは全て「地形を考慮してない」というところもポイント。山や谷など風の強さが変わる要因は色々あります。またビルの隙間など、普段からビル風が強くなるところはさらに強くなると考えたほうがいいでしょう。

見聞きする気象用語、具体的なイメージを持って理解して、備えを万全にしたいですね。

気象や防災の用語や基準などは、災害が発生するたびに、次の災害を防ぐために見直されることがよくあります。5年前、10年前の知識では勘違いしてしまう、ということもあります。時々でもいいので、気象庁や住んでいる地域の防災関連情報を確認して、情報や知識を最新版にしておくのが大切ですね。

気象庁|気象警報・注意報

image by: Shutterstock

 

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