ソフトバンクは嘘つきだ。日本通信が仕掛けた「ケンカ交渉」の真相

 

しかも日本通信はこのタイミングを相当、狙ってきたと思われる。日本通信が狙いを定めているのが、10月13日から総務省で行われる「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」だ。

このなかで、「MVNOの競争環境の動向」がテーマとなっている。日本通信とすれば、このタイミングで一騒ぎすれば、総務省としても無視することはできず、議題として取り上げる可能性が高い。もちろん、事業者として日本通信がヒアリングを受ける機会があれば、ソフトバンクへの不満をぶちまけるのだろう。

日本通信としては、世間の関心を集めることで、ソフトバンクへの突破口を開きたいはずだ。

ただ、過去を振り返ってみても、日本通信はけんか腰でNTTドコモと交渉してきたこともあり、とにかくNTTドコモ関係者から煙たがられている。日本通信は、HLR/HSS接続をして、モバイル・ソリューション・イネイブラーとして業態転換していきたいようだが、NTTドコモ側が難色を示していてもおかしくない。

ソフトバンクに対しても、総務省を後ろ盾にしてけんか腰で攻めるとなると、将来的に2社の関係がぎくしゃくしていくこともあるだろう。すでに三田社長はソフトバンクを嘘つき呼ばわりしており、今後、交渉が上手くいくとは思えない。SIMロック解除のガイドラインが出る前の機種の話をしており、そもそも日本通信にとって不利な状況にあることは間違いない。

仮に日本通信がソフトバンクと接続が実現できたとしても、将来的には自分の首を絞めることになったりしないか心配だ。

image by: TK Kurikawa / Shutterstock.com

 

石川温の「スマホ業界新聞」』 より一部抜粋

著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)
日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。
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