みなさんは「アイスクリームラーメン」と聞いて何を想像しますか?カップラーメンのような見た目をしたアイスクリーム、ラーメンの丼のなかに浮かぶアイスクリーム。いいえ違います。アイスクリームの上にラーメンがトッピングされているのです。日本人の常識では考えにくい超奇抜、インパクト大のアメリカフードシリーズ、お届けします。
謎の物体の正体は、日本ではお馴染みのあの食材
アメリカのフード事情は常にチェックしている私も今回はノーマークだった「アイスクリームラーメン」は、現在ニューヨークで話題になっているそうです。
この謎のフードを提供しているDessert Kitchenは、香港発、現在中国に30店舗以上を構える人気スイーツショップで、抹茶アイスやお餅を使った和風スイーツも提供しているようです。
今回同ショップが北米初出店となるのが、ニューヨークのGreenwich Village店。
私は以前ニューヨークに数年住んでいたことがあり、Greenwich Villageにも時々ご飯を食べに行っていましたが、高級でオシャレな飲食店が軒を連ねるこのエリアは、ニューヨーク内でも特に質の高いエリアです。
そんなエリアに出店し、話題になるためにはそれなりの話題性が必要です。
これがアイスクリームラーメン。
確かにインパクトのあるこの謎のフードの正体は、何と「寒天」。
作り方は、エバミルクの中にアイスを浮かべ、他にも白玉団子や凍らせたボール状のマスクメロンやマンゴーをトッピングして、そのうえに青く着色した寒天をのせて出来上がり。
わざわざ青く着色しなくてもいいのに、と思うのは私だけでしょうか。
食べるよりも見る楽しさ?世界共通の現代の文化
実際にこのアイスクリームラーメンを食べたアメリカ人は、「まるでラーメンを食べているように感じるわ。ラーメンのように麺を『啜る』ことができるし、アイスが溶けた液体は、まるで出汁を飲んでいるかのよう。それに何より甘すぎない。ラーメンで言うところのチャーシューと卵にあたるメロンとマンゴーのおかげね」とコメントしています。
なるほど、なかなか面白い分析ですね。
ですがこのアイスクリームラーメンが味よりも何よりも、そのインパクトのある見た目を売りにしているのは確か。
この青い寒天に使われている着色料が無味無臭だとすると、おおよその味の想像がつきますが、辛さなどのパンチのある味を好むアメリカ人にとっては、正直さほど美味しいものではないでしょう。
ただ、その奇抜で独創的な見た目がウケているのです。
昨今ではSNSの流行によって、食べ物の写真を撮ってはシェアするという行為がひとつのカルチャーとして根付いてます。
写真は思い出、という本来の目的に加え、今ではリアルタイムで何かをその場にいない誰かと共有することで、まるでその時の出来事を一緒に体験しているように感じることができ、それがSNSの魅力とも言えます。
この傾向は日本でも海外も同様で、特に女性は、美味しそうな食べ物や、珍しい食べ物を目の前にすると、ついつい食べる前に携帯のカメラを向けてしまうものです。
なかでも麺類については、「リフティング・ヌードル」と言って、箸を使って麺を持ち上げた瞬間をSNSにアップする、という行為が流行っているそうです。
大切なのは「味よりも見た目」。
矛盾しているように聞こえますが、これが現代の文化なのです。(もちろん、味も見た目も揃っていれば理想的ですが。)
みなさんも食べる前にまず1枚撮って、その時の思い出とともに誰かと共有してみませんか?
早速やってますね、「リフティング・ヌードル」
Source by: TODAY, Dessert Kitchen
Image by: Instagram
文/貞賀 三奈美