突然入った「北朝鮮の高官が日本亡命」という極秘情報の真偽

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突然入ってきた「北朝鮮の幹部が日本に亡命した」という、真偽不明の極秘ニュース。10月5日の記者会見で菅官房長官は「(韓国メディアの)報道のような事実はない」と否定しました。メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』の著者で北朝鮮の内情に精通している宮塚先生に、某マスコミからもたらされた今回の情報は本当なのでしょうか? その信憑性について、宮塚先生本人が詳しく解説しています。

日本は北朝鮮からの亡命者たちの玄関口になったのか?

メルマガの別の原稿を書いていたら、東京の某マスコミから連絡があった。

「先生、北朝鮮の高官が日本に亡命したって本当ですか? 中朝国境からですか? それとも欧州のどこかですか? 知っていることがあれば教えてください」と言う。

随分性急な話である。私はこの手の情報には接していないので何とも答えられない。直ちに東京にある某国大使館の知り合いに電話をしたが、つながらない。ということはこの話は本当なのか、と疑問がわいてきた。

「北朝鮮の高官が日本に亡命」などとは考えられない話である。しかし、山口県に上陸(不法侵入)した北朝鮮からの逃亡者(亡命者)の件もある。インターネットにはソウル時事電として、5日付の韓国紙『中央日報』は、北京駐在の北朝鮮幹部2人が9月末、家族とともに日本へ亡命を求めたと報じた。消息筋の話として伝えた。

これに対し、菅義偉官房長官は5日の記者会見で「報道のような事実はなく日本への亡命を希望する北朝鮮人がいるとは承知していない」と否定した。日本の在外公館や政府機関に北朝鮮関係者が接触した事実はないと述べた。

一方、『聯合ニュース』は、「北朝鮮代表部の幹部が日本行きを推進している」という情報を否定しながらも、「保健省出身の北朝鮮幹部が韓国行きを求めている」と報じており、情報が錯綜している。

中央日報によると、亡命を求めている2人は北京の北朝鮮大使館所属の外交官ではなく、北朝鮮代表部の所属。代表部の幹部は貿易、経済協力などの業務を手がけているという。

うち一人は金正恩労働党委員長とその家族の専用医療施設を管轄する保健省1局の出身で、金委員長の健康に関連し、医薬品や医療設備の調達などを担当していた。2人とも日本への亡命を希望しているが、最終的な亡命先は流動的とされる。

韓国政府は8月、英国駐在の太ヨンホ北朝鮮公使が韓国に亡命したことを公表していた。朴槿恵大統領は今月1日に行った演説で、「北朝鮮の体制を支えていたエリート層まで離脱している」と指摘、北朝鮮住民に対し「韓国の自由な地に来るよう願う」と呼びかけていた。

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