プーチンは本気なのか。ロシアがアメリカに突きつけた最後通牒

 

プーチンは、「合意に戻る条件」を提示しました。その条件とは、

1.2000年9月1日以降NATOに加盟した国々の軍事インフラと、アメリカ軍の兵力数を、加盟前の水準に戻すこと

これは、何でしょうか?

ロシアの危機感、怒り、恐怖の原因は、「反ロシア軍事ブロック」NATOの東方拡大にあります。アメリカは、ソ連が東西ドイツ統一を認める条件として、「NATOを東に拡大しない」ことを約束しました。しかし、ソ連が崩壊すると、約束をあっさり破って拡大を開始した。それで、ロシアは怒り、また恐怖しているのです。プーチンは、「これをやめろ!」と要求している。

ちなみに、2000年9月以降NATOに加盟した国とは、

エストニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、アルバニア、クロアチア

です。

2.ロシアに対する非友好的な政策をやめること

具体的には、

  • マグニツキー法(2012年)
  • ウクライナ自由支援法(2014年)

の廃止。「マグニツキー法」とはなんでしょうか? 弁護士セルゲイ・マグニツキーさんは、ロシア高官の汚職を暴露した。ところが彼は、逆に「脱税容疑」で逮捕され獄中で亡くなった。アメリカは「人権侵害だ!」として、ロシアに制裁を課しました。

「ウクライナ自由支援法」は、いうまでもなく2014年2月の革命で誕生したウクライナ親欧米政権を支援する法律

この二つを「廃止しろ!」と。

3.対ロシア制裁を解除すること

これは、わかりますね。ロシア経済、相当大変なことになっています。

4.経済制裁でロシアが被った損失に対する賠償

う~む、他の要求もかなり難しそうですが、これは特に困難でしょう。

5.アメリカは「余剰プルトニウム処分」のはっきりした計画を提示すること

この要求は、リーズナブルです。

本質をいえば、

  • NATOを拡大するな! 拡大前の状態に戻せ!
  • 対ロシア経済制裁を解除しろ! 賠償金を払え!

アメリカがこれらの要求に応じるとは思えません

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