MAG2 NEWS MENU

元旅行雑誌編集長が警告。男だって入浴後の「乾燥肌」に注意せよ

元『旅行読売』編集長・飯塚玲児さんが発行するメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』では前回、高齢者の冬場の入浴についてのリスクを紹介しましたが、今回はその続編として「冬の入浴後の乾燥肌」に関する情報を紹介。男性は、女性に比べて保湿に対する意識が低いようですが、飯塚さんは「男性も50を過ぎたら入浴後の保湿をしたほうがいい」と、乾燥肌が招くリスクについて警鐘を鳴らしています。

冬の乾燥肌に対する入浴の注意とは?

前号に続いて、冬の入浴に関してのことを書いてみたい。

前回は寒い冬の入浴のリスクについて書いたのだが、かなりおっかない話でもあり、とはいえ見落としてはいけないことでもあるので、未読の方はぜひとも前号をご覧ください。

さて、今回は前号ほど直接命に関わることではないのだが、男性、特に高齢者およびその予備軍に知っておいて欲しい温泉入浴知識を解説したい。

男性も50歳を過ぎてくると、いわゆる「老人性の乾燥肌」というものを自覚し始めると思う。 全身がかゆくなったりするのもこれが原因の場合もある。 僕も数年前からこうした症状に心当たりがある。 歳とともに皮脂の分泌は減り、例えば書類をめくれずに指をなめる、ということも起こる。

これ、若い女性からマジで嫌われるのでご注意を。 指だってかさかさになるから、ある意味では仕方ないんだけどね。

家庭のお風呂でもそうだが、特に温泉入浴では、温泉の成分によって皮脂が洗い流され、汚れも落ちる代わりに、湯上がりに乾燥肌になりやすい。

泉質で言うと、ナトリウム−炭酸水素塩泉、つまり重曹泉は肌の無駄な角質を乳化して溶かし、洗い流す効果がある。 pHの高いアルカリ性の湯もこうした効果がある。 だから美肌の湯の代表格として取り上げられるわけだが、逆にこうした湯に浸かって、ナイロンタオルで体をごしごし洗うと、すっかり皮脂まで落とされてしまい、乾燥肌になりやすい

強アルカリ泉や重曹泉では、湯上がり直後からこうした乾燥が始まるので、女性には「保湿剤やローションなどは、脱衣所で塗るべし」ということを薦めている。 ドライヤーを使って、浴衣を着てからでは遅いのだ。

女性はお肌に関してかなり敏感で、そうしたこともしっかり勉強しており、知識として持っていることが多いのだが、男性となるといかがだろう?

僕の知る限り、脱衣所で湯上がりに全身に保湿剤を塗っている男、というのはほとんど見たことがない。 まあ、いたら気持ち悪い気もするけども。

とはいえ、若いうちならまだしも、年齢を重ねて乾燥肌になってくると、こうした温泉で全身をごしごし洗ってそのままにするのはお薦めできない。肌がかさかさになって、かゆくなったり、荒れたりすることがあるからだ。

かゆさのあまりかきむしり、肌に傷がついて血が流れたりすると、その傷は高齢者ほど治りにくい傾向がある。 特に血糖値が高い人はその傷が化膿したりしやすいので注意が必要である。 悔しいけれど、僕もそうだから、若い時のように傷の蘇生力も強くはなくて、なかなか傷が治らない経験もしている。

温泉の泉質的に言えば、保湿力が高いのはナトリウム−塩化物泉、つまり食塩泉と言われるものだ。 塩分が肌をコーティングするので湯冷めしにくく保湿効果も高い。 二つ以上の泉質が楽しめる温泉では、食塩泉で仕上げると乾燥肌には効果があるとも言える。

前述の強アルカリ泉や重曹泉などの場合は、やはり湯上がりすぐに保湿液や乳液などを塗るということが必要になる。

「てやんでえ、男が風呂上がりに化粧品なんか塗れるかってんだ!」

などと言わずに、きちんとケアした方がいい。 繰り返すが、老いも若きも、女性はこういうことにきちんと気を配っているものだが、男はまったく無頓着ということが多いのも事実だと思う。

個人的には、特に足のひざ下あたりが乾燥することが多い気がするので、せめてそのあたりだけでもケアした方がいい。

照れて、恥ずかしがっている場合ではないのです。

 image by: Shutterstock.com

 

『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
≪無料サンプルはこちら≫

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け