失言連発で物議。NHK籾井会長の退任を、新聞各紙はどう報じたか?

 

新会長への懐疑

【東京】も1面の下の方に小さな記事で基本的な事実を伝え、6面に解説記事。見出しを拾う。

  • NHK新会長 上田氏を選出
  • 経営委から異例の起用
  • NHK次期会長の上田氏
  • 全放送局訪ね現場の声◆趣味は夫婦でジャングル探検
  • 識者批判「監査委員の上田氏就任 疑問」

uttiiの眼

《東京》の特徴は何と言っても最後の一節、「識者批判の部分だ。どんな批判かというと…。

批判を浴びた籾井会長に対し、上田氏ら監査委員は十分機能していなかった。次期会長就任には疑問があり、選考過程が不透明だ。

というもの。メディア政策が専門でNHKに詳しい、立教大学の砂川浩慶教授によるもの。つまりは、退任させられる人と新しく就任する人は、一蓮托生というか、同じ問題について責任があるということだ。経営委員会でその点についての吟味が為されたかどうか疑わしく、その点が不透明なまま、会長を決めてしまうのはおかしいという異議だと思われる。

この部分についてはさらなる説明はなく、《東京》にとって、この視点は次の取材の取っ掛かりという位置づけなのかもしれない。続報に期待することにしよう。

あとがき

以上、いかがでしたでしょうか。

NHKのニュース番組がどんな内容、構成でなされるかということは、政治的な影響が非常に大きい問題であり、マスコミを通じた言論のコントロールを政権に許してしまえば、世論がねじ曲げられ、不測の事態を引き起こすことになりかねません。

籾井氏は最低・最悪の会長でした。その悪しき作用が、副会長を通じてさらに続くようなことがあれば、日本の民主主義にとって大きな危機が続くことになりかねないと思います。そうした動きに対する痛撃が、まず、NHK内部の良心的な人々の行動によって為されるべきではないでしょうか。

 

uttiiの電子版ウォッチ』2016/12/7号より一部抜粋

著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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