失言連発で物議。NHK籾井会長の退任を、新聞各紙はどう報じたか?

 

上田新会長への応援歌

【毎日】は1面の下の方に基本的な情報の記事。2面に関連の解説記事、4面「ひと」欄も。見出しを拾う。

  • NHK会長 上田氏選出
  • 「実務家」に難題多々
  • 受信料見直し/政治との距離感
  • 政府 静観の構え
  • 籾井体制 停滞の3年間

uttiiの眼

2面の解説は異彩を放っている。

上田新会長が直面する課題は、まず「副会長人事」だという。政権との距離の近い人物を選び、パイプ役にするとの動きがあり、会長がどう判断するかで「NHKと政治との距離が変わる」。籾井会長ではあまりにもあからさますぎたと、政権は学習したのかもしれない。

今回の人事について官邸サイドが「静観した」という意味のことを各紙書いているのだが、国民投票で憲法改正を目指す安倍政権が、NHKという最高の武器を簡単に手放すわけがない。なんとか、放送内容をコントロールし続けたいと考え、そのために副会長人事を重要視しているのかもしれない。ここは盲点だった。

記事の後半は、籾井体制が「停滞の3年間」であったとする内容。「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」という例の発言に始まり、私的なゴルフで使ったハイヤー代の立て替え問題などに触れ、国会での予算審議についても、任期中一度も全会一致にならなかったほど、籾井氏への不信感は広がっていたという。だからこそ、受信料制度の改革も、余剰金の処理についても議論が進まず、新会長に持ち越されることになったという理解。新会長は、籾井氏の不始末のお蔭で、いわばその尻ぬぐいをさせられるわけだ。最後に、籾井時代の人事について、こう記している。

気に入らない人物を左遷する恣意的な人事も目立った。ある幹部は「左遷された職員を元に戻すのは容易でなく、会長交代後もゆがんだ人事構造の修復には時間が掛かるだろう」と嘆く。

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け