日本の「お客様は神様です」精神が、ビジネス的に非効率という現実

 

確かに、前回の日本出張時、NYの空港で出発前に時間が空いたので、空港内のCDショップに寄りました。 お目当てのCDのタイトルを店員に聞くと、ガムをくちゃくちゃ噛みながら、彼はめんどくさそうに「ちょっと待て」と点数で言うならゼロどころかマイナスの態度で、いちおう探し始めました。 それでも探し始めると必死になってくれ、カウンターの中に僕を呼び寄せて「一緒に探そうぜ」とコンピューター上の在庫管理を検索し始めてくれました。 結構、長時間に渡り、一生懸命探してくれます。 もちろん態度は最低です(笑)。あいかわらずガムを噛みつつ、丸い椅子に自分だけ腰掛け、マウスを触ってない方の手でほおづえをつき。 でも、探してくれた。 ないとわかると、他のタイトルをススメたり(笑)。入荷してやるから住所書け、とメモを渡してくれたり。 結局、「もういいよ、ありがとう」と僕が言うまで30分近く時間をとってくれました。

成田に到着して、CDショップで同じ質問をすると、女性店員は完璧な日本語で「申し訳ございません、こちらでは把握しかねまして」と、完璧なお辞儀で済まされました。 その間20秒。 態度は100点満点中120点です。果たして、本当の接客とは、どういう意味なんだろう、、ちょっとだけそう考えてしまいました。

もちろん、いまだに僕個人の意見としては日本の接客の方が素晴らしいとは思います。ただ、日本に行って毎回感じる、特に年配の男性の、サービス業の方々に対してのあのエラそうな態度には辟易させられるのも事実です。

新宿の大きなバスターミナルのチケット売り場。 窓口の向こうのお姉さんに、すべて「おう!おう!」で答えるオジさんは、振り向き様、僕にぶつかると「あ、スイマセン、スイマセン」と人格どころか、人間自体が変身したようでした。

なにより、そのホテルマンの彼の話を信じると、ビジネス的に見ても、その消費者に対しての行き過ぎの気遣い接客が、北米ほど利益を上げてないと聞くと、そろそろ振り切りっぱなしの「お客様は神様です接客は限界を迎えてきているのかなと思います。

あまりに消費者優先主義の母国に、アメリカ暮らしの僕が出張に行くたび、最後の最後には、レストランで食事してお金を払おうとすると「そんなお代金なんて滅相もございません!」って言われかねないんじゃないかな、とありえない心配をしてしまうほどです。

そっか、そういわれてみると、そうかもな、、、、。

食事の帰り道、思いっきり論破されてしまった僕は少し考えを改めようかと思いました。

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