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京セラ・稲盛和夫氏に学ぶ。自他ともに幸せになる「6つの教え」

松下幸之助氏、本田宗一郎氏らとともに「カリスマ経営者」と称される京セラの創業者・稲盛和夫氏ですが、氏が常に心に留め置き、「すべての人が取り入れるべき」とまで語っている「ある教え」があります。それが「六度万行」なのですが…、一体どのような考え方なのでしょうか。無料メルマガ『生きる意味は仏教に学びなさい』の著者・中村僚さんがわかりやすく解説してくださっています。

自分のことしか考えていない恐怖

あなたのまわりに、自分のことしか考えていない人はいませんか? そんな人は、必ず見つけられます。なぜなら、人間みんな子供の時は自分のことしか考えていないからです。子供のことを「餓鬼」ともいいますが、自分の欲を満たすことしか考えていません。その子供が成長してだんだん相手の立場に立てるようになり、やがて大人になります。

男性が結婚すれば「旦那」になりますが、「旦那」とは仏教の言葉で、「布施をする人」ということです。「布施」とは、人に施しをすることです。英語では寄付を「ドネーション」。臓器移植のときの臓器提供者を「ドナー」などといいますが、「旦那」と同じ語源からきています。どなー、だんな-、似てますよね(笑)。

「旦那」は布施をする人なのですが、「布施」とは、施しを与えて人を幸せにする。「自分はどんなに苦しくてもかまわないから、あなたに幸せになってもらいたい」ということです。

人に施しをして幸せにするのは、すばらしい善ですが、お釈迦様は35才で仏のさとりを開いてから80才でお亡くなりになるまでの45年間、因果の道理を根幹として、色々な善を教えられました。ところがあまり多く、これも善だからしなさい、これも善だからしなさいと言われても、あまりの多さに目移りしてみんな、結局何も実行できなくなってしまいます

そこでお釈迦様は、一切の諸善、ありとあらゆる善を6つにまとめて六度万行(ろくどまんぎょう)」と教えられました。苦しみ悩みのこの人生を渡すには6つの道があるということです。しかも、この「六度万行」がすごいのは、どれでも自分にあったものを一つ一生懸命やれば全部やったことになるということです。

京セラの創業者・稲盛和夫氏は、常に何かしら仏教の本を持ち歩き、ひまがあれば読んでいるそうです。六度万行についてはこう言います。

(六度万行は)普通の人間が生きるための知恵として、ぜひ取り入れるべきだと私は信じます。

では、六度万行とは何かといいますと、この6つです。

六度万行

  1. 布施(親)
  2. 持戒(言行一致)
  3. 忍辱(忍耐)
  4. 精進(努力)
  5. 禅定(反省)
  6. 智慧(修養)

とうてい全部説明できるスペースはありませんが、六度万行の反対は、こうなります。

  1. 布施(親切)←→慳貪(ケチ)
  2. 持戒(言行一致)←→破戒(約束を破る)
  3. 忍辱(忍耐)←→瞋恚(いかり)
  4. 精進(努力)←→懈怠(なまける)
  5. 禅定(反省)←→散乱(心が散り乱れている)
  6. 智慧(修養)←→愚痴(恨んだりねたんだり人のせいにする)

つまり、あなたがどんな分野で活躍しておられても、ケチで、約束は破り、すぐに腹を立てすぐにさぼって、集中力がなく、人を恨んだりねたんだりしていると、不幸になり、親切で、約束を守り、忍耐強く、反省して努力して身を修め養ってゆけば、幸せになるということです。

つまり、パソコンでいえば、ウインドウズやマックのようなOSの部分ですね。それに対して、人それぞれの能力は、ソフトウェアにたとえられます。

私たちはパソコンで作業するとき、ウインドウズやマックの基本プログラムの上で、ワードやエクセル、パワーポイントなどのソフトウェアを使って、色々な作品を作ります。ワードではレポートが書けますし、エクセルなら表計算ができます。エクセルでも、レポートは頑張れば作れますし、ワードで表計算も、相当の職人芸をマスターすればできるかもしれません。

しかし、自分の能力に向いていないことをやろうとしてもいい作品はできません。そういう人も世の中にはたくさんいます。

ところが、能力がぴったりでも、ウインドウズが古くて、動きが遅いとか、不安定ですぐにフリーズするようになってしまったら、どんなに最新のソフトを使っても、いい作品は望めません。

つまり、あなたの心が六度万行の反対なら、どんなにすばらしい能力があっても活かされず、結局不幸や災難に見舞われてしまうのです。

廃悪修善」とは、これらの悪をやめて善に向かうということです。あなたはすばらしい力をお持ちなのですから、今まで以上に六度万行を心がければ、ますます力が発揮され、まわりの人もあなた自身も幸せになること請け合いです。(京セラの稲盛さんも、きっとそれを活かして経営において大成されたわけですね)。

これを、仏教では、「自利利他(じりりた)」と言われます。「自利」とは、自分の幸せ、「利他」とは、他人を幸せにするということです。

「自利利他」とは、他人を幸せにするままが、自分の幸せになる。自分が幸せになれば、一人じめしてはもったいない。その喜びから人にも幸せを届けずにおれない。自利のままが利他になる。利他のままが自利となる。これが大乗の「菩薩道」です。

自分のことばかり考えている人は必ず破滅します。因果の道理にしたがって、自利利他の道を輝く未来へ向かいましょう。

ぜひ六度万行の表を紙に書き、よく見る壁にはって、自分でいえばどういうことなのか、毎日の様々な場面で今までよりちょっとでも多く実行してみてください。

また、もし子供さんがおられれば、教えてあげると、子供たちが生涯幸せに包まれますし、社長さんなら社員教育にもどうぞ(まず自分が実行してからです・笑)。

image by: Shutterstock

 

生きる意味は仏教に学びなさい
仏教メルマガ読者数日本一。仏教史上初のウェブ通信講座を開設、仏教の歴史を変え続ける中村僚が、葬式法事仏教となった現代日本の仏教界では失われた本当の仏教の秘密を公開。発行者サイトでも隠された仏教の秘密を無料プレゼント中。
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