MAG2 NEWS MENU

サ・ヨ・ナ・ラ2016。年の瀬も押し…迫る?詰まる?どっちだ!

手紙やメールの「表現力」が豊かだと、教養があると思われたり、上品だと思われたり、とにかくいいことずくめですよね。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、いつもの文章をワンランクアップさせるための、ちょっとしたコツが紹介されています。…と言っても、文法が云々というような難しいお話ではありません。この時期ならでは、年末の慌ただしさを表現する時によく使われる言葉を見ながら、楽しく学んでいきましょう。

年の瀬も押し…迫る? 詰まる?

いよいよ年末」というときに

みなさんはどちらを使われますか? あらためて言われると、「ん???」となるかもしれません。

『明鏡国語辞典』(第二版)を弾いてみますと

とありました。どちらも同じように使えるのですが、微妙なニュアンスの違いがありそうです。「迫る」と「詰まる」の違いを考えてみるといいでしょう。

迫るすぐ近くまで押し寄せる」というのが基本的な意味で、「時間的な隔たりが小さくなる」という意味でも使えます(「刻限が迫る」「締め切りが迫る」など)。

詰まるすき間なく物が入る」というのが基本的な意味。「あいた時間がないくらいにするべきことがたくさんある」という意味でも使いますね。「今日は一日、詰まっている」と。

これを見ると、より暮れに近づいて慌ただしい感じがするのが「押し詰まる」の方です。用例でも「いよいよ」という言葉が入っていますね。

母語話者はすごいな…と思うのは、こうした微妙なニュアンスを感じて、自然と使い分けていることです。

今回取り上げた「押し迫る」も「押し詰まる」も、「押す」という動詞に「迫る」や「詰まる」という別の動詞がくっついたものです。こういうのを「複合動詞」と言いますが、二つの動詞がくっつくことで、意味やイメージが広がります

こうした複合動詞の使い分けに少し気を配ることで、文章表現がより正確に、より細やかになって、自分の言いたいことが相手にちゃんと伝わるようになります。

身の回りの複合動詞、ちょっと見渡してみませんか?

※「見渡す」も、「見る」だけじゃなくて「渡す」で、「ぐるっと端から端まであたり一帯全部を」というイメージが付いていますね。

image by: Shutterstock

 

1日1粒! 「幸せのタネ」
「楽しく豊かな人生」を送るために役立つさまざまな気づきを、「学び」をキーワードに「幸せのタネ」として毎日お届けします。
<<登録はこちら>> 

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け