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冬の京都は「美」が研ぎ澄まされる。寒空の古都で楽しむ和の世界

「冬の京都は寒いだけで何もない」などとお思いの方、そんなことは決してありません。確かにこの時期の京都は底冷えはするものの、その分空いているのでじっくり観光地を見学できますし、何より今だけのお楽しみもたくさんあります。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では、古都の冬を満喫できる特別なイベントや美味しいもの、そして「梅の名所」も併せて紹介されています。

京の冬の楽しみ

一年を通して観光客が多い京都ですが、比較的人が少ないのが冬の時期です。京都の冬は底冷えと言ってかなり寒いのですが、のんびり風情を楽しむのなら冬もいいものです。

寒い時期ならではの「ご飯食べやこの時期限定の楽しみ方冬の京都観光の服装で気をつけたいことなどをお伝えします。また最後に梅の名所と見どころをいくつかご紹介しますので是非足を運んでみて下さい。

花見や夏の祇園祭、紅葉など観光客の多いいわゆる「ハレ」の時期には見ることの出来ない「ケ」を感じられるのが冬の良さです。冬の京都と言うと雪の金閣寺の写真などが思い浮かびますよね。またしっとりと渋い禅寺に降り積もる雪の景色は墨絵のような幽玄の美を感じることでしょう。

しかし京都の市内中心部が雪景色に包まれるのはかなり稀です。訪れた時にたまたま雪が降っていたらかなりラッキーなほうです。墨絵のような京の街を目の当たりにしたら過去にタイムスリップしたような気分を味わえるかも知れません。

底冷えする京都でこの時期、より一層美味しく感じるのが名物の湯豆腐です。

嵐山の天龍寺裏手、宝厳院のすぐ側にある「嵯峨野」、東山の南禅寺畔の「順正」などは是非一度訪れてみて下さい。

温かい食べ物の旬は冬ということになるでしょう。京都は鳥すき鍋やうどんもおいしいですよね。京都の「たぬきうどんは短冊状に切った油揚げと九条ねぎがのっていてあんかけにしたものです。このあんかけが身体の芯から温まっていいんですよね~。蕎麦ならニシン蕎麦、また湯葉や蕪(かぶら)蒸しなどもいいですよね。

デザートはやはりおしるこでしょう。関東だとおしるこですよね! 関西だとぜんざいがメジャーなんですかね? 違いは「ぜんざい」は粒あんで「おしるこ」はこしあんの汁です。地元丹波の大納言小豆のぜんざいは是非一度味わって頂きたいです。

あんかけのうどん、蕪蒸し、ぜんざいなどトロッとした汁物が好まれたのは京都の厳しい寒さと深い関係があるのでしょう。

高台寺 夜咄(よばなし)

image by: 京都フリー写真素材

冬の期間限定と言えば、高台寺の夜咄などはいかがでしょうか? 夜咄はろうそくの灯りの中で楽しむ夜のお茶会です。お寺でのお茶会はちょっと敷居が高く感じますよね~? でも高台寺の夜咄はお茶の作法を知らなくても気軽に参加できます。そして夜の高台寺を特別に拝観できて夕食もついているんです。

一通りお薄をいただいた後、明かりがつけられ亭主より道具などのお話があり、道具の拝見があります。月明かりの下、境内の説明を聞きながら庭を拝観させて頂けます。月の明かりで庭が煌々と照らされる中、空気がピーンと張り詰めた感じがあり、秋のライトアップとは違った趣があります(この時期のライトアップはありません)。

例年1月中旬から3月の初旬の金・土・日曜日に開催されていますので是非一度参加してみて下さい。参加にはあらかじめ予約が必要で、料金は拝観料・茶席・軽い食事・喫茶込みで6,000円となっています。夕方5時から6時ぐらいから約3時間楽しむことが出来ますよ。詳しくは高台寺ホームページでご確認下さい。

東山花灯路

3月には東山花灯路が開催されます。花灯路は12月にも嵐山で行われますが、3月は例年東山で開催されます。

簡単に言ってしまうとライトアップです。京都らしい街並みや佇まいを光で照らしたり、灯したりして京都らしい雰囲気が感じられる演出です。京都を代表する寺社や、歴史的建造物、街並みなどをあたたかみのある灯篭や行灯で照らし、独特の雰囲気を醸し出しています。

冬の服装のポイント

三方を山に囲まれた京都は冷たい空気が盆地にたまって「底冷え」と呼ばれる寒さになります。特に足元が冷えないような服装を選びましょう。お寺を拝観する時に靴を脱ぐこともよくありますよね。板張りの床はとても冷たいので靴下は厚手のものや重ね履きするなどした方がいいです。

色々見て周って歩くことが多いので上着は脱いだり着たりしやすいものを何枚も重ね着して調整するといいかも知れません。ちなみに、私の真冬の京都に欠かせないアイテムは手袋耳あてネックウォーマーレッグウォーマーです。どれも小物で取り外し可能なものばかりで調節しています。

梅の名所

image by: 京都フリー写真素材

1月、2月のお楽しみは梅でしょう。梅の名所をいくつかご紹介したいと思います。

北野天満宮

言わずと知れた梅の名所ですね。例年見頃は2月上旬から3月下旬ぐらいです。

約2万坪の境内に50種類、約1,500本の梅が咲き誇ります。

一般に公開されている場所だけでもとても綺麗ですが、是非有料の梅苑にも足を運んでみて下さい。北野天満宮のFacebookでは咲き具合の最新情報が確認出来ますのでお出かけの前にチェックしてみて下さい。

梅宮大社(うめのみやたいしゃ)

梅宮大社には神花として梅が35種類、約450本植えられています。見頃は2月中旬~3月中旬で京都の梅の中でも風情があると人気です。特に神苑有料に咲く梅はとても美しいと定評があります。

京都御苑

市内中心部に位置する京都御苑は例年1月中旬~3月中旬に約200本の梅が咲きます。京都人の憩いの場として親しまれている苑内の蛤御門を入った南方に咲く梅林の梅がきれいです。

元離宮二条城

城内全体で約130本の梅があり、そのほとんどが城内南西部の梅林に植えられています。例年の見頃は2月下旬~3月上旬

紅梅、白梅、桃色梅、シダレ梅、1本の木に紅白の花を咲き分ける源平咲き分けなどがあり、さまざまな梅の花を楽しむことが出来ます

気温、気候によって梅の見頃は差がありますので最新情報はホームページなどでチェックしてから出掛けることをお勧めします。

冬は日が短いので行きたい場所へは早めに出掛けるようにした方がいいですよ。日が暮れるとより一気に冷えるので夜は温かく過ごすことを心がけて下さい。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock

 

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毎年5,000万人以上の観光客が訪れる京都の魅力を紹介。特にガイドブックには載っていない京都の意外な素顔、魅力を発信しています。京都検定合格を目指している方、京都ファン必見! 京都人も知らない京都の魅力を沢山お伝えしていきます。

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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