三つ目のポイント、「米軍駐留経費増」要求は?
トランプさんは選挙戦中、二つの発言で日本に衝撃を与えました。一つ目は、「日本が在日米軍駐留費用をもっと払わなければ、米軍を撤退させる!」。二つ目は、「日本が核兵器をもつのは、悪くない」。
一つ目の「米軍駐留費用増」について、マティスさんはなんといったのでしょうか? 読売新聞2月4日から。
稲田防衛相は4日午前、トランプ政権の閣僚として初来日したマティス米国防長官と防衛省で約1時間会談した。
この日の会談では在日米軍駐留経費の問題は取り上げなかったが、マティス氏は共同記者会見で「日本のコスト分担は他国にとってお手本だ」と述べ、日本の負担は適切との認識を示した。
「日本のコスト分担は他国にとってお手本だ」そうです。思うに、トランプさんは、日本が米軍駐留経費の75%を負担していること、知らなかったのでしょう。
四つ目のポイント~これからの日米同盟は?
- 尖閣は、日米安保の適用範囲
- 辺野古移設、推進で一致
- 米軍駐留費用負担増は求めず
ということで、言ってみれば「現状維持」ですね。
しかし、マティスさん、「これから」のことも発言されています。毎日新聞2月4日。
一方で、マティス氏は「日米双方はそれぞれの防衛力を強化しなければならない」と語り、日本側も防衛力の増強が必要との認識を示した。
安倍政権では防衛費を増額しているが、対国内総生産(GDP)比1%弱程度で推移している水準には米側に不満があるのが実情だ。
稲田朋美防衛相は自衛隊の役割拡大を図る考えを伝えたが、今後、米側から防衛費の大幅な増額を求められる可能性が高まってきた。【村尾哲】
「防衛費の増額を求められる可能性が高まってきた」。トランプさんは、NATO加盟国に対し、「GDPの2%を防衛費にあてるように」と要求しています。ですから、日本にも「もっと防衛費を増やせ!」という要求が来るかもしれません。
この件で、二つポイントがあります。一つは、「防衛費を増やすのは良いこと」である。日本人は、右も左も、「自分の国は自分で守れるようにしたい」と願っています。左の人は、「米軍を追い出せば、すべてうまくいく!」などと言いますが、現実的ではありません。米軍が出ていけば、中国は喜々として尖閣、沖縄を侵略することでしょう。
結局、防衛費を少しずつ増やしながら、徐々に「軍事の自立」に向かっていくしかありません。しかし、日本が独断で防衛費を増やせば、中国が「軍国主義化している!」と大騒ぎするでしょう。だから、「アメリカの要求で防衛費を増やさざるを得ない」というのは、藤井厳喜先生的にいえば、「良い外圧」なのです。