「すイエんサー」がテーマとするのは、日常生活の中にある素朴な疑問や、気になっていることである。例えば「バースデーケーキのロウソクの火を一気に吹き消したい」「茶柱をいつでもたてたい」「ジェットコースターの恐怖を簡単に克服したい」「針の穴に糸をスーッと簡単に通したい」「ゆで卵の黄身をピッタリど真ん中にしたい!」とか、どうでもいいことを真剣に考える。
すイエんサーガールたちには台本がなく、打ち合わせもない。ガチンコのロケで無理難題を解かなければならない。ひたすら無駄にグルグル考える。この右往左往ともいうべき「グルグル思考」を鍛えなければならない。その結果、必ず、思考力、発想力、実践力を束ねた、生き抜く力、すなわち「知力」が身につくはずである、という。プロセスこそが科学である。
で、実際に知力がついてしまった。番組内企画で実施された「知力の格闘技!」シリーズで、すイエんサーガールたちは東大、京大など名門大学の理系学生たちとの知力バトルで、なんと5勝4敗と勝ち越す。驚愕の事実である。その実況中継の章はじつに面白く、スリリングで、感動的である。すごいぞ、女子。
ひたすら「グルグル思考」せよ。それを担うのは、疑う力、ずらす力、つなげる力、寄り道する力、あさっての方を向く力、広げる力、笑う力である。というが、いかにも無理やりこじつけっぽい感じもあって、自慢の多い文章がおいしくないが、面白かった。早乙女ケイ子のイラストが超弩級にいい!
編集長 柴田忠男
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