Windows95の設計に携わり、「右クリック」「ダブルクリック」を開発した世界的エンジニアである中島聡さんが、自身のメルマガ『週刊 Life is beautiful』の中で、ソニーの画期的な新製品「Xperia Touch」について紹介しています。同製品は、壁や机に投影した映像や画面をスマホと同じようなタッチオペレーションが可能という「超短焦点プロジェクター」。中島さんは、この製品の最も効果的な使い方について、相手にインパクトを与える方法やミーティングでの活用法など、起業家目線、エンジニア目線でさまざまな案を提示しています。
私の目に止まった記事
●「Xperia Touch」ファーストインプレション:家にでっかいスマホがやってきた
ソニーが発表した、タッチオペレーションが可能な短焦点プロジェクターの紹介です。記事の中には動画もありますが、机に投影された画像を指で操作するという体験は、マン・マシン・インターフェイスの進化という意味でも、とても重要な一歩だと思います。
Microsoft の Hololens に代表される Augmented Reality が次世代インターフェイスの一つの形として注目されていますが、このプロジェクターは、特殊なメガネの装着も、特別なソフトウェアも必要とせず、ビジネスの場面ですぐにでも使えるという点が優れていると思います。
応用はいろいろと考えられますが、もっとも効果的なのは、少人数のミーティングの場でのプレゼンだと思います。通常のプロジェクターだと壁に投影することになるため、皆の視線がそちらを向いてしまうので親密さに欠けてしまいます。このプロジェクターを使って、テーブルの中心に投影し、かつ、指で直感的に操作できれば、より親密な形でのコミュニケーションが可能になります。
ただし、せっかくテーブルの上に指で操作できる形でプレゼン資料を表示するならば、単なるページ送りだけではなく、それ以外の操作も出来るようにすると一層効果的なプレゼンが出来るようになります。例えば、表示した3Dモデルを回転させるとか、同じグラフを時間軸で(指の操作に合わせて)アニメーションさせる、などです。その意味では、私がオープンソース化した Swipe とも相性が良いと思います。
ちなみに、OSに関して言えば、Google の縛り(Mobile Application Distribution Agreement)がある Android をそのまま使い続けることがソニーにとって良いのかどうかは若干疑問です。Android のオープンソースな部分のみを上手に使い、シェル(ホーム画面を表示しているソフトウェア)は独自のものを作るなどの工夫を真剣に考えた方が良いと思います。
image by: SONY Xperia Touch 公式HP