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「当店はNo.1です」という店にかぎって満足度が低いワケ

街を歩いていると、「当店は満足度 No.1です!」などという看板を掲げているお店をよく見かけますよね。同様のチラシやWebサイトなどもありますが…、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、「このような宣伝文句はどれもピンとこない」とバッサリ。それでも「ナンバー1」だとアピールしたいなら、その根拠をしっかりと提示すべきだとしています。

何がNo.1なの?

「当店は、地域で一番元気なお店です!」

「当店は、接客No.1を目指しています!」

「当店は、どこにも負けない癒し空間です」

「顧客満足No.1です!」

みたいなポスターやポップを店内やWebサイトに掲げたりしているお店を時々見かけますが、正直言ってどれもピンときません

地域で一番元気なお店」って言われても、声が大きいだけなのか、スタッフが元気なのかどうかなんてことは他店と比べてもその基準はイマイチ分からないですし、「接客No.1を目指しています」なんて言われても、どのような接客がNo.1なのか、お店の業態、コンセプトによっても異なります。「どこにも負けない癒し空間」なんて言われてもそもそも癒し空間に勝ち負けがあるかどうかなんてことも分かりません。「顧客満足No.1です!」といったところで、どことどこをどう比べて満足なのか? も、よくわからないものがほとんどです。

第三者から見て、わけの分からないことは、そこで働くスタッフたちも分かっていないことが大半です。よくマーケティング本なんかで他社にはない強みを打ち出しましょう、なんてことが書かれていますが、それをやってみて、強みどころか訳が分からないものが出てきた、なんて経験、もしかしたらあるかも知れませんね。

強みや会社・お店の目標をお客さんにも見えるように掲げる、ってことは良いことですが、訳が分からないようでは全く意味がありません

たとえば、「地域で一番○○が旨いと評判の店 出典:○○による調査」とか「当店を利用された95%以上のお客様が癒されたと満足しています」みたいに具体的にエビデンスとして分かるものが表記されていればイメージが出来て、理解できますし信頼できます。

第三者、お客さんがそのお店に対してイメージが出来るということは、そこにいるスタッフも当然「うちはどういうお店か」「どこを目指しているのか」などをイメージができ、やるべきことが見えてきます

お客さんから「あっちのお店の方が○○美味しかったわよ」って言われたら、さらに美味しく召し上がって頂くための改良や工夫も出来るかもしれないですし、新メニュー開発のきっかけになる場合だってあります。「あっちのお店の方が、癒されたわ」なんてことを言われたら、95%を100%にするための究極の癒し空間を追求していくことだってできます。つまり、基準が明確なので、対応改善等スムーズに出来るようになります。

しかしながら、冒頭にあるような「元気が一番」とか「接客No.1」とか「どこにも負けない」みたいなものだと、基準が曖昧で改善しようにも出来ません。それでは意味がありません。つまり、曖昧な目標や強みというものには、価値は無いのです。

なんとなく「よっしゃやったるでぇーー」ではお客さんに響くどころか、スタッフにも響きません。「で?」で、終わりです。それとなく掲げていれば、それとなく見栄えはするかもしれませんが、その程度のものです。

お客さんやスタッフに対して、目標や強みといったものを打ち出すのであれば、曖昧で意味のないものではなく、一目瞭然、明確なものにしましょう。

「うちにはそんなものは無いよ」という場合は、なければ無いでOKです。下手に何かを無理やり付けたし、打ち出したところで、訳がわからなくなるだけです。そんな小手先のことをするのではなく、お客さんの声にもっと耳を傾けましょう。あるいは、ブレずにやっていることやってきたことを拾い出してみましょう。そこにヒントが隠れています。

■今日のまとめ

『曖昧な強みや目標を掲げても無駄。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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