Eコマース企業の実店舗展開は、大きくわけて、以下の2つの段階がある。
1.ポップアップ店の出店
2010年前後から、長期間ではなく短期間で店舗スペースを借りて実店舗を出す事例が増えている。
ニューヨークの5番街やSOHOなどの主要なショッピングエリアの家賃高騰などが影響しているが、そもそも世界中からアクセスできるEコマースサイトが実店舗を出す理由はない。
でも、Eコマースから始まった小売は、Eコマースでは提供しにくいパーソナル・サービスやそこでしか体験できないものを提供できる場として実店舗を活用しているのだ。
過去に話題になった代表的な事例では、ハンドメイト大手のEコマースサイトのエッツィがある。
・ハンドメイド・マーケット最大手のEtsy史上初のお店がニューヨークに!!!
2.常設店
その後、2013年ごろには、期間限定のポップアップ店ではなく、常設店を出すEコマースが続出。
送料無料で返品やお試しができるとはいえ、気軽にお試しできる場として店舗があると便利だし、新たな顧客の獲得にも繋がるかもしれない。
代表的な事例では、メガネ専門のワービー・パーカーや、メンズ・ファッションブランドのボノボス。
最近、ブログで取り上げたイタリア製のシューズを取り扱うM.Gemiもその1つだ。
また、これらの人気Eコマースが出す店舗は、ニューヨークを中心にアメリカ国内で客が集まる人気都市であることも非常に興味深い。
(ご参考)
・たった1年でEコマースから実店舗へ、シューズ・ブランドのM.Gemi
今回、アマゾンが出したブックストアは、上述の2つ目の段階の常設店。
年内中に、ニューヨークと近郊にあと2店舗出店予定で、1つは、34丁目のエンパイアステートビルディング至近、もう1つは、お隣の州のニュージャージーにあるウェストフィールド・ガーデン・ステート・プラザ(Westfield Garden State Plaza)という新しいショッピングモール。
ここにはシェイク・シャックやアップルストア、ユニクロなども入居している人気のショッピングモールである。
(ご参考)
・While Barnes & Nobles close, Amazon is opening real live bookstores