天井に描かれた龍に見守られ。京都で「悟り」に近づく禅寺の旅へ

 

禅寺の歴史と五山文化

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image by: 京都フリー写真素材

京都最古の禅寺は、1202年、禅宗の一派である臨済宗の祖・栄西が開山した建仁寺です。禅の作法や規則が厳格に守られた道場で、戦乱などで荒廃しますが、復興して現在に至ります。

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その後室町時代以降は、金閣寺・銀閣寺・龍安寺・東福寺などを含めた沢山の禅寺が建立されるようになりました。中には日本最大規模を誇る妙心寺や、最も格式高い南禅寺をはじめ、京都五山と呼ばれる禅寺などがあります。

禅宗の統制と保護のために中国では五山制度が導入されていました。これに習い、日本でも室町時代に後醍醐天皇が京都の格式の高い5つの禅寺を定めました。その後足利義満が自ら建立した相国寺を五山に加えるため、天皇によって建立された南禅寺を五山より上となる禅寺の最高位「五山之上」としました。その後京都五山は、天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺と定められました。

禅が及ぼした食文化への影響

禅の教えを実践するため、食事は重要な修行とされています。肉食を禁じられています。穀類や豆、野菜など植物性の材料を使い、素材そのものの味を生かし調理したものしか食べません。これを精進料理といいます。

安土桃山時代になると、千利休が禅の精神をを元にした茶の湯に簡素な料理、茶懐石を取り入れました。これが後の懐石料理に受け継がれることになります。

また、黄檗宗では普茶(ふちゃ)料理という中国風の精進料理を食べます。植物油を使った炒め物や揚げ物、豆腐を素材にして肉や魚に似せた料理などが特徴です。

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