同じものを売るな。不毛な値引き合戦のドロ沼から抜け出す方法

 

値引きをしないで売る方法

値引きの質問をされたお店には、こう答えておきました。

「たとえ同じ商品を扱っていたにしても、売り方によっては違う商品になります。また、値引きをすればそれだけ利益が削られます。それならば、値引きをしなくても利益のとれる商品を多くそろえられてはいかがでしょう」

この返事を聞いたお店が納得されたかどうかは分かりません。しかし、「売り方」や「値引きをしなくてもいい商品」にピンとくればしめたものです。

前号、前々号では、卓球専門店やバドミントン専門店のお話をしました。そこで分かったことは、スポーツショップは、商品と一緒に修理や加工の技術が販売できるということでした。しかも、この技術には定価がありません

また、「○○教室」とか「○○相談会」といった、お店独自で行うことのできる「ソフト」をつけて販売することができます。そして、その「ソフト」がお客様にとって魅力的ならば商品そのものを定価で売ることもできるのです。言ってみれば、それがお店の強みになります。

確認しておきましょう。価格を安くするのは、小売店にとっては最も安易な戦法です。ですから、どのお店でも出来てしまいます。しかし、そのために利益で首をしめることにもなるのです。一方、「ソフトはどのお店も同じものではありません。そのうえ、利益が出ます。これが、値引き競争から逃れる一つの方法です。

そして、価格だけが売り物のお店では、やがて価格で他のお店にお客さまをとられます。このことだけは、十分に心しておきましょう。

さらに言えば、「商品」は、メーカーさんの多くの人の手によって精魂を込めて作られたものです。そんな大切な商品だからこそ定価で売るのだ、といった気概をもつことも正しい商人の道なのではないでしょうか。

■今日のツボ■

  • 値引き競争にさらされている小売店は多い。
  • 他店と同じものを売らないことで、値引き競争を避けられる。
  • 商品にお店独自の技術やソフトをつけて売ることが一つの方法である。

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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