同じものを売るな。不毛な値引き合戦のドロ沼から抜け出す方法

 

値引きは良いか悪いか

松下幸之助さんが、こう言っています。

「適正妥当な利益を得て売ってもなおかつ他より安く売れるという場合にはじめて安く売るのである」

つまり、正しい利益も出ないのに安く売ってはいけないということです。その通りだと思います。それを考えた場合、あなたのお店の商品は、値引きをしてもなお利益が出るでしょうか。そこが問題です。

もちろん、粗利益は出るでしょう。大切なことは、それがお店にとっての適正な利益かどうかということです。

ちょっと計算してみましょう。単独店におけるスポーツ用品の仕入れ原価は、およそ定価の60~65%です。それを2割引で売れば、粗利率は19~25%です。小売業としては、せめて粗利率30~35%は欲しいところです。ということは、そもそも商品を値引きできるような価格構造になっていないことが分かります。

値引き販売をすれば、お客様には喜んでもらえるでしょう。しかし、従業員の皆さんに十分な給与を払えません。ましてや、広告宣伝や売り場改装に投資できる余裕はなくなります。これでは、正しい経営とは言えません。

利益が十分ではありませんから、またさらに値引き販売をして量を売ろうとします。悪循環ですね。

それでもなお、そのお店に利益が出ているとすれば経営のどこかで無理をしています。例えば、従業員の人たちの労働時間が長くなるとか、仕入先に返品を押し付けるとか、といったようなことです。

では、そんな値引き販売をしなくてもよい方法があるのでしょうか?

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