資本主義の限界。次世代経済システムのヒントは江戸時代にあり

 

日本企業の役割

日本企業は、今までは新興国に技術を教えて、新興国企業の発展を助けているが、次の役割は、先進国の地産地消に協力することになるとみている。

米国の鉄鋼業界は、新興国の鉄鋼業に負けてなくなり、日本の鉄鋼メーカーが米国に進出して工場を維持している。自動車もトヨタを始め、米国に工場を立てて、米国の消費者に提供している。というように、相手国に工場を立ててそこで生産した製品をそこで売ることになる。地産地消を助ける存在である。

工場を建てるとすると、市場規模がある程度大きくないと、効率的な生産ができない。このため、複数の国で統一する経済圏が、どうしても必要になる。その経済圏に工場を進出させることが必要になる。

ということで、EUのような経済圏構想が世界各地で出てくることになる。

中国は市場規模は10億人で、十分に大きい。米国は3億人で北米経済圏としてメキシコ、カナダとの経済圏を作るしかない。

日本は、1億人であり、台湾などと東南アジアとの経済圏が必要になってくる。

経済規模を大きくした複数の経済圏ができて、その経済圏は自給自足、地産地消の経済になるようである。しかし、安価で高機能な部品は、日本などの国で集中的に生産した方が良いので、高機能であるが安価なものは世界の供給を一手に引き受けることになる。

また、オーストラリアのように資源が豊富にある国は、その資源を輸出して、多くの物を輸入して成り立つことになる。

食糧、エネルギー、材料、部品などを大量に輸出する企業は世界的な存在として君臨できるが、汎用品などは地産地消になる。企業はグローバルに活躍するが、工場を世界展開して、そこで売る。経済圏同士で関税が高いので、経済圏をまたがる汎用品の貿易はなくなる。

このように、アベノミクスは限界にきたが、その理由は資本主義の限界と密接な関係があるからのようである。

さあ、どうなりますか?

 

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