■手に届く未来
ということで、時代は確実に未来に追いついてきました。ですから、日本のスポーツメーカーさんも、うかうかとはしていられません。
アディダス社は、「スピードファクトリー」の開発に当たってドイツ最大の重電メーカー「シーメンス」とドイツ一のソフトウエア企業「SPA」の協力を得ています。ここが大きなポイントです。
それに負けじと、ナイキ社もアディダスのような「カスタマイズ」製品の開発に力を入れています。アメリカにも「シーメンス」や「SPA」に匹敵する企業はたくさんありますから、いずれ「スピードファクトリー」のようなものが出てくるのは、間違いありません。
一方、日本のスポーツメーカーさんはどうでしょう。すでに何らかの行動に移しているでしょうか。直営店を作ったり、アスレジャー市場に力をいれることも良いですが「革命」に参加することも必要です。それが、メーカーさんの本来の仕事なのではないでしょうか。
そうすれば、プレーヤーそれぞれの技術や好みに合わせた商品を提供していくことができます。さらには、「デジタルブラジャー」のような用具で集めたトラッキングデータと組み合わせれば、選手の能力向上やけがの防止にもつながって行きます。その結果、スポーツがさらに盛んになっていくと思うのです。
そして、スポーツシューズばかりではありません。いずれ、3Dプリンターで、選手一人一人に合わせた野球バットやテニスラケットなど他の用具を製造することも可能になることでしょう。日本にも「シーメンス」や「SPA」のような優秀な企業はあります。ぜひ、それらの企業と手を組んで「革命」的な商品を開発してもらいたいものです。
そして、その未来はもう手の届くところにあります。そうなれば、10年後のスポーツショップの姿もきっと今とは違ったものになっているはずです。そのためにも、「インダストリー4.0」に着目していきましょう。
■今日のツボ■
・「インダストリー4.0 」はスポーツ業界にもやってきている。
・「スピードファクトリー」は、業界の未来を先取りしている。
・スポーツショップも、その「革命」に着目していくことである。
image by: adidas news stream