82歳・仲代達矢が鬼気迫る「果し合い」。5社タッグの新時代劇がスタート

2015.09.30
by 横田吉木
(C)2015 時代劇専門チャンネル/スカパー!/松竹(C)2015 時代劇専門チャンネル/スカパー!/松竹
 

スカパー!は、時代劇専門チャンネルとBSフジと協力し、時代小説の大家・藤沢周平の原作を、新たなオリジナル時代劇シリーズとして4作品を制作・放送することを発表しました。

シリーズ第一弾として放送されるのが、1970~80年代に藤沢周平により執筆された短篇「果し合い」。本作でヒロインを務めた桜庭ななみと、監督の杉田成道が出席し、見どころを語ってくれました。

hatasiai main

 

本作は、厄介者の庄司佐之助が、甥の娘、美也が縁談を断ったことをきっかけに窮地を救うため刀を手にする……という、ラブストーリー時代劇。

主役の庄司佐之助を演じるのは、1954年「七人の侍」で映画デビューし、御年82歳の俳優・仲代達矢。黒澤明監督作品を始め、日本映画を代表する作品に多数出演。自らが主宰する「無名塾」でも舞台活動を行うなど、82歳を迎えてもなお精力的に活動を行っています。

(C)2015 時代劇専門チャンネル/スカパー!/松竹

(C)2015 時代劇専門チャンネル/スカパー!/松竹

そんな仲代について、杉田監督と桜庭は以下のように話しました。

杉田監督「仲代さんの存在感は群を抜いています。82歳にして、立ち回り・居合を演じてもらいましたが、気迫というか、最後の追い詰められたというか、最後のロウソクの輝きというか、絞りだすような、観てゾクッとするような演技をされています」

桜庭「とても緊張しましたが、このチャンスにいっぱい勉強させていただきました。本番前にセリフを何度も練習されているんですけど、こんなにお芝居のパターンってあるんだっていうくらい。本当に幸せな時間でした」

5社が垣根を超えてスーパータッグを組む

そしてこの4作品の藤沢周平シリーズは、画期的な制作が行われています。スカパー、時代劇専門チャンネル、ビーエスフジという3つの放送局がまたがり、制作会社も松竹と東映という垣根を超えた5社が協力して制作されています。

杉田監督は、この5社がタッグを組んだことを以下のようにコメント。

杉田監督「ネットフリックスやアマゾンなど定額動画配信がきて、電波業界は激動期を迎えています。コンテンツ重視、作品ありての放送という原点に返りつつある状況下だと認識しています。今後新たな制作形態ができるのではないかと期待しております」

またBS・CSが台頭してきていることにも言及。

杉田監督「地上波は若年層を向いており、中高年層が観るものがなくなってきているため、BSに大きく流れた傾向があります。実際視聴率を見ると、BS・CSは、テレビ東京を抜き、この前はフジテレビを抜きました。今や地上波と同等といっても過言ではありません。したがってBS・CSで時代劇を観る層が増えてきています」

そして杉田監督は「藤沢周平×仲代達矢の本作は、50代、60代の人生の苦味がわかった世代にフィットできるのではないかと思っています」とのコメントで締めた。

仲代達矢の迫真の演技、桜庭ななみの美麗な着物姿、放送局、制作会社の垣根を超えた、まさに現代最高の時代劇作品となりうる「果し合い」。時代劇ファンにとっては見逃せない一作となることでしょう。

◯information
果し合い
放送局:BSスカパー!
放送日:2015年10月31日(土)午後3時、午後7時より放送

「藤沢周平 新ドラマシリーズ」ラインナップ
第1弾「果し合い」
第2弾「遅いしあわせ」
第3弾「冬の日」
第4弾「三屋清左衛門残日録」

print
いま読まれてます

  • 82歳・仲代達矢が鬼気迫る「果し合い」。5社タッグの新時代劇がスタート
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け