安倍首相は本当に、米軍の北朝鮮攻撃にブレーキをかけられるのか

 

安倍自民『圧勝』のシナリオを狂わせた、小池都知事の隠し玉」でもふれたが、田原氏が話したような内容は9月22日、福岡市内での講演会で青山繁晴自民党参院議員が鼻高々に喋っていた。

米国と北朝鮮がいつ戦争になってもおかしくない。同盟国の日本が集団的自衛権の限定行使を容認した安全保障関連法を本当に使うのか、使わないのか。有事が起きる前に、有権者の判断を問うためだ。

トランプ米大統領が北朝鮮と戦争するか、しないのか、米国案を持って11月初めに来る。だからその前に解散するしかない。

青山氏もおそらくネタモトは防衛省あたりだろう。とすれば、霞が関界隈では、米国の北朝鮮への軍事力行使について、そうとう深刻な話題としてのぼっているに違いない。

9月23日に麻生太郎副総理が北朝鮮有事について語った以下の発言も、そういう空気を反映している。

今の時代、結構やばくなった時のことを考えておかないと。

難民が船に乗って新潟、山形、青森の方には間違いなく漂着する。不法入国で10万人単位。どこに収容するのか。

警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい。

こうした情報が、北朝鮮に対する国民の危機意識や敵愾心を煽って選挙を有利に進めようと意図しているのか、本当に11月4日のトランプ大統領来日を機に軍事作戦が動き出す可能性があるのか。あのトランプ氏のことだ、誰もわからないだろう。

北朝鮮はミサイルと核を開発し日本韓国といういわば人質」をとっている。それゆえ、米国は迂闊に手を出せないでここまで来ている。

だが、トランプが大統領になったがゆえに金正恩を罵倒し、挑発合戦のようなことになってしまった。北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返し、米本土にまで届くほどのレベルにまで達していることをアピールしたため、米国の世論は北朝鮮への強硬姿勢を支持する方向へ傾いている。

もっとも、ふつうなら、北朝鮮に先制攻撃をかけるような真似はできまい。日本と韓国を巻き込んだ反撃は必至であり、その責任を問われるからだ。

金正恩も、自殺願望でもない限り、いかに経済制裁を受けて苦しくとも、グアム島の米軍基地にミサイル攻撃をかけるとは考えにくい。

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