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「価値観の違い」で片付けなければ、離婚しなくて済んだ話

以前掲載の「『ウチは大丈夫だから』という夫婦に限って突然、離婚するワケ」では、日本でも増加傾向にある離婚の原因を「男女の思考の違い」という観点から分析した、無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者・真井花さん。今回は、世間でいう「価値観の違い」の乗り越え方を考察しています。

カチカンのクイチガイ

さて、本日は食い違いがちなモノのお話。

夫婦や家族と一緒に過ごしていて、ヒジョーによくあるのが、「価値観の違い」というヤツです。

私はあんまりこの言葉が好きじゃないんですよね。なんつーか、こう、何でもかんでも丸めすぎじゃないですかね。モンダイの把握が大ざっぱすぎて、思考停止に陥りがち( ̄- ̄)な気がするんですよ。しかも離婚事由っぽいし。

閑話休題。夫婦でカチカンのクイチガイが目立つのは

あたりじゃないでしょうか。心あたりがありませんか? ま、トーゼンなんですよね。いままで違う家庭で違う人生を過ごしてきたんだから、むしろ一致しているものの方が珍しいくらいで、大半のものは食い違っているはずですよね。

ところが、そうは思えないんですよ(既婚者なら誰しも経験があると思いますが)。

…つい、こんなふうに自分や自分の生い立ちに基づく考えを誰にとってもアタリマエで受け入れられるべきものと考えがちなんです。

 

こうしたクイチガイの背景にあるのは、自分の考えや感覚をもしかしたらそうじゃないのかもしれないと疑えないことに起因(0_0;しているんです。

と勝手に思い込んでしまっているんです。そして、ジョーシキだと思い込むことで、コミュニケーションレスは起こります。だって、「アタリマエ」なら説明する必要もなく理解してもらえるはずだから。逆に、これが解らないとすると、相手は

ことになっちゃっているんです(^Д^)。…ケンカするときって、こうなっちゃってませんか。ハハハ。

ここからが難しいところなんですが、誰でも自分の考えをジョーシキであるとほとんど常に「思い込んでいる」んです。自分の考えというのは、自分と一体化しすぎており、自分と切り離して考えられないんですよ。別の言い方をすれば自分の体験から生じる思考や感覚が選択的であることが解らないということです。

カチカンがクイチガう原因は、自分の考えや感覚が人類普遍の原理であるかのように思い込むことでした。普遍の定理を説明する必要はないので、コミュニケーションは行われずただ相手をボケナスのコンコンチキだと断罪してしまう結果になるんですね。そして、思い込みの元になっている自分の考えや感覚は、あくまで「自分が選択しているもの」にすぎません。

…え? 意外ですか?( ・∀・)ご自身に兄姉がいると経験的に解ると思いますが、たとえば、同じ家族で温泉に行った思い出なのに、「自分は温泉がヌルくて楽しくなかったと思っている」のに「兄姉は部屋が広くて嬉しかったと思っている」ってこと、よくありませんか? 自分と同じ体験をしても自分と同じ思考や感覚に至るとは限らないんですよ。つまり、兄姉は楽しい思い出を選んで覚えているのに対し、自分はつまらなかった瞬間を選んで覚え、それぞれが家族旅行をそのようなものとして覚えているんです。そう、「自分の思考や感覚は自分で選んだもの」なんです。

まずは、このこと自体を知っておきましょう。他の選択肢もあった、選びうるのだと考えることで、自分の考えを突き放して見つめることができ、それだけで頑なな思い込みから少しだけ離れることができますから。

自分の考えや感覚が思い込みに過ぎず、ひょっとしたら違うのかもと思えるようになると、次の段階が

と思えることです。自分の考えや感覚を絶対視しなくなれば、それが引っ繰り返って相手のものもまたアリで、さらにこれもまた絶対視する必要がないと気がつけるはずです。この段階に至ると、相手とハナシアイをして妥協点を探ることが可能になってきます。

夫婦や家族で問題が起こると、「話し合って」と言いますが、私はハナシアイの前提には、

お互いが

と解っている必要があると思っています。どちらか一方でもこれをクリアしていないと、まず物別れでしょう。そりゃそーだよね。

日常生活ではよくカチカンのクイチガイに遭遇します。そこでのハナシアイを実りあるものにするためには、一にも二にも「ひょっとしたらコレはナシでアレもアリかもと思えるクールさが必要なんです。

カチカンのクイチガイ。大ざっぱにまとめる前に、自分の考え方を疑って。それほどジョーシキでもフツーでもないんですよ。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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