他方、自分と同じ道に進んで欲しいと思っている人もいますね。これもねえ、「同じ道」ってとこにコドモに「自分と同じ道」を追認して欲しい感じがある気がするんですが、気のせいですかねえ。
そこまで行かなくても、子供が自分と同じ道を選んでくれることで、自分の人生への肯定的な評価が高まった気がするからではないかと思います。
でもね。正直なところ、この二つは両方ともすごく似ていますよね。いずれも自分が基準になっているところです。前者は、自分と「違う」で、後者は、自分と「同じ」で、ベクトルは180度違いますが、根底にある判断基準は「自分」であり、全く同じなのです。
えっと、で、その人生を歩むのは、誰だっけ? そう、コドモだよね。子供は、どうなんでしょうか。子供はどんなに似ていても、あなた自身じゃありません。親である「自分」を基準にするのは、どうかと思うんです。
…とか言うと、「子供がどう考えているかですよね!」とか早合点してくれる方がいそうなんで、釘を刺しておきます。進路を決定するにあたって「子供がどう考えているのか」を基準にするのはムリがあると思うんですよ。
いや、そりゃ、どっちのセーターを買うのかとか、どんなドリルに取り組むのかとか、せいぜい選択科目を何にするのかくらいなら、コドモがどう考えているのかを基準にしてもいいでしょう。
ですが、コトは将来の進路を決定する場面です。日本のようにセカンドチャンスの少ない、一度失敗した人がリベンジするのが難しい社会では、できればヘタを打ちたくない場面なんです。ところが、コドモはアタリマエですが
- 年齢にバラツキがある集団での人間関係も
- 会社で働くことがどれほど大変かも
- お金の本当の価値も
- これまで出逢ってきた大人の数も
- 知っている職業も
ホンのちょっと(・_・)……しか知らないですよね。そりゃそーなんですよ。コドモなんだから。こういうことをホンのちょっとしか知らない人のことをコドモと言うんだから。
こういうことをよく理解した上で、「コドモがどう考えるか」だけを基準に進路を決定するということは、ちっこいネズミにクルマを運転させるのと同じですよ!!( ̄□ ̄;; でしょ?
ここは、正直に言ってすごく難しいところです。親として子供の一番近くにいる大人として、その子の成長を見守っているわけです。長く細かく観察してきたからこそ気がつくその子の
- 才能
- センス
- 嗜好性
- 努力の実績
- 意志の強さ
…こうしたものを総合して、コドモと話をしましょう。この上で「コドモがどう考えているのか」を加味してもっとも適性と思われる進路を強めに推薦してあげてください。









