終わりの方では家庭の事情を吐露しているが(そこまで書くのかというかんじ)、著者が41歳にして脳梗塞に倒れた理由がここにあった。「背負い込み体質」「妥協下手」「マイルール狂」「ワーカホリック」そして「吝嗇」。そして最後に「善意の押しつけ」。まさしく「自業自得」であった。著者の脳梗塞は「生活習慣病」というより「性格習慣病」だったらしい。この本は「脳が自分の思い通りに機能してくれない苦しさ」がよくわかる優れた闘病記だと思う。
じつは脳梗塞になった人がリハビリを語るという本は、鈴木大介『脳が壊れた』より前に、日垣隆『脳梗塞日記~病棟から発信! 涙と笑いのとリハビリの100日間』を読んでいた。これがじつに唯我独尊な内容で、闘病記としてはどうしようもないレベルだった。読んでも役立たない自慢本でありました。
編集長 柴田忠男
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