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軽い気持ちで「仮想通貨」投機を始めようとしている人への忠告

先日掲載の「コインチェックは460億円をどこから取り出し、支払うつもりなのか」でお伝えしたように、仮想通貨取引所「コインチェック」の巨額流出問題は、知識をほとんど持たず軽い気持ちで仮想通貨取引を始めた人にとって、まさに青天の霹靂だったのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』では著者の音多さんが、仮想通貨に投機する前に身につけておくべき基礎知識を、初心者にもわかりやすく解説しています。

投資の階段~暗号通貨に投機してみた

今回は暗号通貨の基本をお伝えします。例えばビットコインとアルトコインの区別がつかない人も多い現状です。暗号通貨はどこでどうやって買ったらよいのかも分らない人も多く、謎のベールに包まれた部分が多くて食わず嫌いになっている人も多いでしょう。よって今日は簡単に基本を押さえて、少なくとも暗号通貨を買えるまでになっておきたい所です。

ではまず暗号通貨の種類から見てみます。暗号通貨は主に「ビットコインとアルトコイン」の二種類に分けられます。ただビットコインはひとつしかありませんが、アルトコインは1,000種類以上存在します。アルトコインとは直訳で「(ビットコインの)代わりとなるコイン」という意味です。

なぜこうして分かれたかというと、それはビットコインが最初の暗号通貨であり、現時点で最大の時価総額を持つため影響力が大きく、暗号通貨全体の基軸通貨のようになっているからです。ですから今後ビットコインが落ち目になって凋落すれば、他のアルトコインの中から覇権を握る通貨が現れるかもしれません。

アルトコインは本質的な仕組みはビットコインと変わりませんが、機能面(安全性や取引速度)でより価値を高めたものが開発されたり、資金収集を目的として次々に生み出されています。そのアルトコインには「イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュ、カルダノ、ネオ、ライトコイン」など、現時点で1,000種類以上が存在します。

ではこれらビットコインやアルトコインはどこで買えるのいか? それは「取引所と呼ばれる所で購入します。じゃあどこに取引所があるかというとインターネット上です。

日本の取引所も今後山ほど増えて行くと思われますが、有名処は「Zaif」「ビットフライヤー」「コインチェック」などです(コインチェックは18年1月にNEMというアルトコインの流出問題が起こりました。18年1月29日現在、業務停止状態なのでご注意を)。

日本の取引所を使えば日本語で分り易いのですが、デメリットはアルトコインを取り扱う種類が少ない事です。例えば上記挙げた時価総額の大きなコインの中にも「カルダノ」など、日本の取引所では購入出来ないものもあります。

ではそうした通貨を購入したい場合はどうするか? それは海外の取引所(例えば香港の「バイナンス」など)に口座を開設すればいいんですね。口座開設は海外取引所でもそれほど難易度は高くありません。言語は英語ですが、プロセスはどこもシンプルです。ただパスポートなど、顔写真付きのプロフィールをアップロードする必要は有ります。

なので最初は日本の取引所に口座を開設し、好きなコインを買う事から始めると良いでしょう。取引所の選び方はホームページの分りやすさ、手数料の安さなどから選びます。

私は最初、ビットレックスという海外取引所からデビューしましたが、日本の取引所は手数料の安いZaifを使っています。

口座を開設したら後は取引所にお金を振込んで好きなコインを買うだけです。

さて、ここまで暗号通貨の種類と購入方法までレクチャーしましたが、私の解説はあくまで初歩の初歩。よりディープな情報が知りたい方は色々ネットで情報を漁って見て下さい。

それと暗号通貨で爆益を上げる人が億り人と呼ばれて喜んでいるように見えますが、実際は「全然素直に喜べない」事です。何故なら暗号通貨で得た利益は雑所得」であり、そこには大きな税金がかかるから。

例えば最大で4,000万円以上の利益を上げた場合、所得税が45%、住民税が10%の合計55%の税金が発生します。つまり「4,000万儲かった!」と喜んではいけないんです。本当の利益は1,800万円であり、2,200万円は税金用として確保しておかなければならないんですね。

これは1年間の総利益に課せられます。ですから今年のトータル利益にかかる税金は来年3月の確定申告で発生します。ですから私はこの通貨の売り買いを頻繁に行っている人を見ると「この人確定申告の計算大変そうだな」と思いますし、この先暗号通貨の利益から一般人の脱税がニュースになるのでは? と思ってしまいます。

何らかの利益を上げるからには売買履歴をきちんとメモして把握しておく事。一つの事業として帳簿を付ける意識が必要ですね。

では、いくら「投機」だとしても暗号通貨に自分の大切なお金を出資するにはそれなりの根拠が必要という事で、何を根拠に暗号通貨を選べば良いのかお伝えしておきましょう。ここまでわかるとあなたは既に暗号通貨の初心者レベルから抜け出す事が出来ます。

投資先を選ぶにはいくつかのゴールデンルールが存在し、それは株であれ暗号通貨であれ変わりません。そしてそれらのルールを一番わかりやすく提唱しているのが「ウォーレン・バフェット氏」です。

例えばこんな言葉。

その企業について論文を一本書けなければ買ってはいけない

暗号通貨に投資するからにはその通貨の生立ちや存在意義をきちんと理解しなければなりません。「あ、これ有名だから買っておこう」的な雰囲気で買ってはいけないんですね。

とは言っても星の数ほどある暗号通貨です。最初の段階ではどう絞り込めば良いのか。そこは例えば「時価総額」で上位に来ている通貨は何らかの根拠があって市場に根付いていますから明確ですね。とりあえずビットコインを含め、イーサリアムやリップルなどの時価総額上位銘柄に目を付けるのは始めの一歩としては堅実です。が、実際に買う前にそれらの通貨の時価総額が何故高いのか根拠は掴んでおきたい所です。

ではその根拠を掴む為に何を参考にすれば良いかというと、これは暗号通貨が発行している「ホワイトペーパー」という報告書を見ればざっくり掴む事が出来ます。それはオフィシャルサイトに置いてありますので、ネット検索すればすぐに見つかります。ほとんど英語版ですが、読めなければグーグル翻訳で。たまに日本語版が存在する場合もあります。難しくて理解不能ならまとめサイトなどを使ってお勉強しましょう。この一手間は絶対省いてはいけません。

ホワイトペーパーには暗号通貨の理念や存在目的が書いてあります。たまに技術用語が多過ぎてさっぱり意味不明な物もありますが、上場後の大よその価値はこの報告書で決まります。その後実際にロードマップに沿って開発が進んでいたり、他の通貨との相対価値によって値段が変動します。暗号通貨は総発行枚数が決まっていますから、株と同じように人気投票で欲しがる人が多ければ価格は上昇して行くんですね。

現在はまだ確立期に至る前でありパイ全体の時価総額も小さい為(総発行通貨の1%程)、株式市場と違って投機資金が少し入って来るだけで数十パーセントの価格変動が起き易いのが特徴です。だから「ビットコインがバブルだ」と言われても、少し詳しい人ならまだ生まれたての泡が少し弾けた程度にしか思っていないものです。そしてそれが弾けたとしても、各通貨のホワイトペーパー内容を理解していれば、それを根拠に冷静にいられるでしょう。

先程の「ウォーレンバフェット氏」の言葉には他にもこんなものがあります。

株券ではなく事業を買う

暗号通貨を買う時もこれと全く同じ考え方で良いんですね。通貨の値段だけを見ていたら良い投資は出来ません。というか、現時点では暗号通貨の価格は根拠が手薄な投機的価値です。それよりその通貨の存在目的や技術価値を理解しておけば、上手に投資判断が出来ると思います。当然大きな金額は掛けていけない事もわかって来ます。自分の中にそうした根拠が生まれたら少ない資金で投資を始めれば良いし、何も掴めなかったら買わなければ良いだけですね。

ではこうして購入したい通貨が決まり、先述の取引所で購入する事が出来たら次に行うのは何か。それは「ウォレットへの保管」です。暗号通貨は取引所で購入後、ウォレットと呼ばれるアプリやハードウェアに移動して保管する必要が有ります。ここが銀行預金や株と異なりつい怠りがちになる点です。

暗号通貨の場合、取引所で購入した通貨は放っておけば取引所が管理してくれます。しかし「取引所」というのは銀行とは違い、厳重なセキュリティや法律で守られていません。その上富が集まる場所ですからハッカーから狙われやすく、現時点ではまだ完全に信頼はできないんですね。

銀行も一昔前は銀行強盗に狙われましたが、今はあまり聞かなくなりました。それはセキュリティが整って、強盗しても取れる確率が極端に減ったからです。しかし現在の取引所はまだそうしたレベルに達していません。独自のセキュリティや管理体制で頑張っていますが、マウントゴックスやコインチェックが資金流出を起こしたように、流出しても「自己責任で」と言われてしまう世界です。

取引所は便利なのですが、こうしたリスクがありますからウォレットによる自己管理が必要です。購入した通貨はすぐに取引所から引き出して手元で管理しましょう。

で、このウォレットを使うと安全な理由とは何か? それはまず暗号通貨を管理する秘密鍵暗証番号を自己管理出来る事です。取引所に預けて置く事は、この鍵も一緒に預けて置くようなものです。そしてもう一つがネット環境から切り離された場所に確実に格納しておけるからです。その為ウォレットにはいくつかの種類が有りますが、大体以下3つを抑えておけば良いでしょう。

オンラインウォレットとは各取引所などが提供しているものです。取引所に口座開設して通貨を購入すると、このオンラインウォレットの中で通貨を管理してくれます。簡単で便利ですが上述したようにとても狙われやすく、また直接あなたの通貨が流出しなくても、取引所が閉鎖してしまえばお金は引き出せなくなります。よってローカルウォレットやハードウェアウォレットを準備し、そこへ通貨を移動させて管理しておく事が望ましいんですね。

ローカルウォレットは各通貨ごとに開発されている専用のウォレットソフトをパソコンやスマホにダウンロードして使います。ウォレット事にアドレスが設定されるので、取引所からそのアドレス宛に通貨を送ればいいわけです。

また更にセキュリティを上げるにはハードウェアウォレットと呼ばれるUSBタイプのウォレットが有効です。ハードウォレットは初期投資や管理工数がかかりますが、高額を扱っている場合など、セキュリティ重視の場合には必ず必要になるでしょう。有名なものでは「TREZOR(トレザー) 」などがあります。

さて、今回のシリーズはこれで終わりですが、暗号通貨は現段階では投機、もしくは投機以上にハイリスクなギャンブル(ゼロサムゲーム)です。よってここまでお伝えしてきた内容を元に、根拠を持って投機」する事。あくまでローリスクで少額投資を行いハイリターンを狙うというスタンスを崩さなければ暗号通貨を楽しめると思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 音多秀茂 【発行周期】 ほぼ 季刊

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